一眼レフを買ったら撮影したいもの。そのひとつは、白糸のように流れる滝です。水の流れを上手く写すにはどうすればいいのでしょうか?
今回は滝の美しい撮り方、撮影のコツについて書いていきます。
- どんなモードで撮ったらいいの?
- どうやったら水の流れを綺麗に撮れるの?
- フィルターは必要?
それでは、滝の撮影方法について詳しく見ていきましょう。
滝とシャッタースピードのお話
まず滝とシャッタースピードの関係について考えてみましょう。
こちらの2枚の写真をご覧ください。
この2枚は同じ場所、同じ構図で撮影された写真です。
左の写真を見ると、水の動きが止まって見えます。iPhoneや普通のコンパクトデジカメで撮るとこのような写真になりますね。
右のほうの写真を見ると、水の流れが糸のように撮れています。
この秘密は、シャッタースピードにあります。
シャッタースピードが速いと水の流れは止まって見え、左の写真のようになります。逆にシャッタースピードを遅くすると、水の流れが糸のように美しく表現できるというわけです。
シャッタースピードを早くする → 水の流れを止めて撮れる。
iPhoneやデジカメなどはシャッタースピードを変えることができないものが多いのですが、一眼レフカメラは、このシャッタースピードを自由に調整することができるので、いろんな味のある写真を楽しむことができます。
では、水の流れを表現した綺麗な滝の写真を撮る設定を見ていきましょう。
設定
① Av(絞り優先)モード
まずは、どのモードで撮ればいいの?と悩む方も多いと思います。
ずばり、滝を撮るおすすめのモードは、Av(絞り優先モード)です。
Avモードで撮り続けると仕組みや理論が理解できるようになってきます。まずはAvモードで慣れてから、M(マニュアル)モードに挑戦してみましょう。
② 絞り値 F16〜F32
先ほど一緒に考えてみたように、滝の水の流れを糸のように表現したい場合、必要になってくるのはシャッタースピードの長さです。
シャッターをより長く開けるために、絞りはできるだけ大きな数字に設定しましょう。レンズによってFの最大値は変わりますが、F16〜32くらいに設定しましょう。
絞りについてはこちらの記事で詳しくまとめています。↓
絞りとは?【一眼レフカメラ初心者必見!】絞りで写真は劇的に変わる!
③ 露出 ±0
露出とは、明るさのことです。
滝の流れを撮る場合、ちょっと低めの露出(暗め)にしたいのですが、露出を暗めに設定してしまうと、シャッタースピードが短くなってしまい、水の流れが糸のように撮れなくなってしまいます。それで、露出はプラマイゼロに設定しておきましょう。
④ ISO100
ISO感度とは説明が難しいのですが、カメラの基本性能を無理やり全部あげる魔法みたいなものです。このISO感度とシャッタースピードは密接に関連しています。
ISO感度を上げればシャッタースピードは短くなり、先ほど述べたように水の流れが糸のように綺麗に撮れなくなってしまいます。
それで、滝を撮るときは、ISO100に設定しましょう。機種によってはさらに下げることができます。
⑤ WB(ホワイトバランス)オート
WBとはホワイトバランスのことです。色温度とも呼ばれています。
滝の撮影の場合は、AUTOで大丈夫です。透き通った青っぽいイメージにしたい場合などはWBを蛍光灯モードなどに変えると青っぽくなります。
三脚とレリーズ
① 三脚
滝の撮影には、三脚は絶対必要です。
水の流れを糸のように撮るためにシャッタースピードを遅くすれば、その分ブレやすくもなります。そのため、三脚は必須アイテムです。
手持ちで耐えれる秒数はもちろん人により異なりますが、1/30秒〜1/50秒位と言われています。滝を撮るときは最低でも1/4秒以上欲しいので、三脚は大事です。
滝の撮影を行う場所は、足場が悪く岩などで凸凹している場所が多いので、しっかりと支えることができる三脚選びが大切です。
軽量ながら、しっかり支えることのできるおすすめの三脚はこちらの記事にまとめています。↓
旅行に持って行くならこの三脚|選び方、おすすめポイントまとめてみました!
② レリーズ
レリーズとは、シャッターを押す外付けのボタンケーブルです。シャッターを押すと、カメラに力が加わり、わずかにカメラが動いてずれてしまいます。それを防ぐのが、レリーズです!
レリーズを使うと手元でシャッターを切ることができ、カメラに力が加えずに撮影することができます。
レリーズを持っていない!という方は、カメラのタイマー機能を使うことができます。
2秒タイマー、10秒タイマーなどを使うとシャッターボタンを押して、カメラに力がかかってから、しばらくしてから写真を撮ることになるのでブレにくくなります。
フィルター
後は、NDフィルターという道具があります。NDフィルターとは、減光フィルターとも言われ、色彩に影響を与えることなく、光量だけを低下させるフィルターです。
NDフィルターを使うことで、より美しい滝の流れを撮ることができます。滝の撮影に慣れてきたら、ステップアップしてNDフィルターを使ってみるのも良いかもしれませんね。
※ちなみに、このページに使っている写真は、フィルターは一切使っていません。 フィルターなしでも綺麗な写真は撮れます。
フィルターには径(大きさ)があり、レンズによって、それぞれフィルターを準備しないといけないので、全部揃えようとするとけっこうお金がかかります。
なので、まずは何回か撮りに行って、滝の撮影にどっぷりハマりたい、やっぱり滝が大好きだ!という方は、原理を分かった上でステップアップするといいと思います。
まとめ
モード | AV(絞り優先)モード |
絞り値 | できるだけ大きく(F16〜32)くらい |
露出 | +/-ゼロ |
ISO | できるだけ低く(100くらい) |
WB | オート |
今回は、滝や水の流れを糸のように表現する撮影方法について考えました。
一眼レフだからこそできる、シャッタースピードを変えての撮影!いろんなシャッター速度で、いろんな表情の水の流れを捉えてみましょう。
望遠レンズ+シャッター速度短めで、こんな写真も迫力があっていいですね!
滝の撮影は、足場が悪いので、滑らないように気をつけて楽しみましょう!
一眼レフカメラでの撮影技術をしっかり学びたい方はこちらの本もおすすめです。
絞り・ボケ、シャッター速度、光、色温度、レンズ、構図といった撮影に必要な基本的テクニックがしっかり解説されています。
滝の撮影方法についてもポイントを抑え詳しく解説されていますよ。