トランプ政権は2017年3月21日より、中東と北アフリカの一部の国からの直行便に対して、「ノートPC(ノート型パーソナルコンピューター)」や「タブレット」などの電子機器の機内持ち込みを禁止する措置を取り始めました。また同日イギリスもアメリカに同調し、一部の国からの直行便に対して同じ制限をかけ始めました。
なぜこのような措置が取られるようになったのでしょうか?制限がかかる国はどこでしょうか?また世界各国で追従する動きがあるようですが、今後どうなっていくのでしょうか。気になる情報をまとめてみました。
追記
※ 2017年5月29日配信の時事通信によると、ケリー米国土安全保障長官は28日、アメリカを発着する全ての国際線を対象にノートパソコンの持ち込みを禁止する可能性について明らかにしました。
※ 2017年7月6日付のカタール航空のプレスリリースによると、アメリカ国土安全保障省は、ハマド国際空港からアメリカへの便(QatarAirways)の電子機器の持ち込み制限を免除すると正式発表しました。
これから、テロ対策として、持ち込み禁止の対策がデフォルトになっていくかもしれませんね。
PC・タブレット・カメラなど機内持ち込み禁止の理由とは?
トランプ政権は、民間機を使ったテロの危険性が高まっているとして、今回の電子機器持ち込み禁止措置を始めました。
ハフィントンポスト紙の報道によると、ノートPCやタブレットの持ち込み禁止措置は、ソフト面の問題でなく、物理的なハード面の大きさにあると報じています。
簡単にわかりやすく言うと、「X線などに映り込みにくい小型の爆弾をノートPCの内部にうまく隠して持ち込みテロを起こす危険性があるから」ということです。
この措置には携帯電話やスマホなどは含まれていません。携帯電話程度の大きさであれば、殺傷能力の高い爆弾は隠すことが出来ないのでしょう。
今回の措置において勘違いしないでいただきたいのは、あくまでも「手荷物での機内持ち込み」が禁止されているということです。つまり、携帯電話以上の大きさの電子機器を持っている場合はカウンターで預け荷物として預けることになります。
実際に持ち込みを禁止された乗客たちは、「タブレットもPCもないなんて暇すぎる・・」と言った意見も聞かれる一方、「安全のためにはしょうがないこと」という肯定的な意見も聞かれていました。
持ち込み制限のかかる大きさ・サイズは?
一般的なスマホのサイズであれば持ち込みに問題はありません。
今回規制対象となるのは、16cm×9.3cmよりも大きいサイズが対象となります。
ノートPCはもちろんのこと、iPadも制限にひっかかることになります。ノートPCは持っていかなくても、旅にi Padを持っていかれる方は多いのではないでしょうか?
私自身、長い機内での暇つぶしに、iPad にお気に入りの映画を入れて楽しむようにしています。こういう楽しみ方も出来なくなるというのは少し悲しいところです。
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制限のかかる国はどこ?
アメリカの場合
・エジプト(Cairo International Airport, Egypt)
・ヨルダン(Queen Alia International, Amman, Jordan)
・クウェート(Kuwait International Airport)
・カタール(Hamad International, Doha, Qatar)※ 2017年7月6日カタール航空に限り免除!
詳しくはこちら → アメリカ|カタール航空のPC・タブレット・電子機器持ち込み禁止措置を免除!
・モロッコ(Mohammed V International, Casablanca, Morocco)
・サウジアラビア(King Abdulaziz International, Jeddah, Saudi Arabia)
(King Khalid International, Riyadh, Saudi Arabia)
・トルコ(Ataturk Airport, Istanbul, Turkey)
・アラブ首長国連邦(Abu Dhabi International, United Arab Emirates)
(Dubai International, United Arab Emirates)
()内は空港。
以上の8カ国、10の空港からの直行便が対象になります。
LCCを用いた個人旅行やツアーの場合、ドバイ空港を使うコースがけっこうありますので、ドバイ→アメリカといったコースの方は注意が必要です。
イギリスの場合
・トルコ
・サウジアラビア
・レバノン
・ヨルダン
・エジプト
・チュニジア
アメリカが規制している国の中で、モロッコ・UAE・カタール・クウェートといった国が外れた一方、レバノンとチュニジアが加えられています。
BBCによると以下の航空会社が影響を受けるようです。
イギリスの航空会社6社
・British Airways
・EasyJet
・Jet2.com
・Monarch
・Thomas Cook
・Thomson
イギリス国外の航空会社8社
・Turkish Airlines
・Pegasus Airways
・Atlas-Global Airlines
・Middle East Airlines
・Egyptair
・Royal Jordanian
・Tunis Air
・Saudia
観光でトルコ→イギリスといったプランを考えられている方も多いかもしれません。
ご利用になられる際はご注意ください。
他の国にも追随する動きが?
現在のところこれらの措置を取っているのは、アメリカとイギリスの2カ国のみですが、今後同様の措置を取る追随する国が増えてくるものと思われます。
例えば、今回の措置についてカナダの運輸大臣も電子機器の持ち込みに関して何らかの措置を考えているという声明を発表しました。
世界中、いろんな場所で、無差別テロが起きている昨今、特に安全対策が求められる航空機。今後ルールがさらに厳しくなっていくかもしれません。
まとめ
今回の措置は、国籍に関係なく、その国からの直行便を利用して入国する人全てに適用されるものです。日本人であっても影響を受けるということになります。
個人的には、カメラやPCなどを預け荷物で預けるのは抵抗があります。外国の航空機の場合、荷物の扱いが非常に荒く、Fragile(壊れ物)のシールを貼っていても御構いなしといった感じです。こういう措置で壊れた場合の補償ってどうなるのか気になるところです。
命には替えられませんので、安全のためには仕方ないことですが、ちょっと複雑な気持ちです。
また、機上で美しい空の写真を撮るのを旅の一つの楽しみとしている方も多かったのではないでしょうか。スマホでの撮影は可能ですが、一眼レフカメラも預けないといけないのは悲しいところです。
タブレットやPC、カメラの持ち込みが不可となると、ガイドブックや小説などの本を楽しむ時間と割り切った方がいいかもしれませんね。
今後、わたしたちに影響を受けるであろう情報が発表されたら、たびハックでしっかりと発信していこうと思いますので、今後とも宜しくお願いします。