一眼レフカメラに関する質問の中で、特に多いのが設定についての質問です。
今回は、朝日や夕陽の美しい撮り方、撮影のコツについて書いていきます。
- どんなモードで撮ったらいいの?
- どうやったらオレンジの綺麗な色を出せるの?
その答えは、ずばり設定にあります!
朝日・夕陽のカメラ設定
Avモード
まずは、どのモードで撮ればいいの?と悩む方も多いとおもいます。
カメラを始めたばかりで、どう設定したらいいか分からないという方。まずはAvモード(絞り優先)で設定していきましょう。
慣れてきてカメラの設定を理解してくるとMモード(完全マニュアル)で綺麗に撮ることができますが、まずは簡単なAvモードから始めてみましょう。
Avモードを使いこなせるようになると、だんだんとなんとなくカメラの設定が分かってきます。
絞り値
朝日、夕日を撮る場合、絞り値(F)は、どれくらいに設定すればいいのでしょうか?
絞り値の設定は少し絞って、F6.3-F11くらいにしておきましょう。
絞る ⇨ F値を大きくする
開ける ⇨ F値を小さくする
開放 ⇨ F値を最小にする
露出
露出とは、写真の明るさのことです。
朝日や夕日を撮るときに露出をオートにしていると、撮れた写真が明るすぎて空の色が白っぽくなって綺麗なオレンジ色にならなかったりします。
それで綺麗で落ち着いた写真を撮るためには、露出をマイナス側に設定しておきましょう。
ISO感度
フィルムカメラを触ったことなく、デジタル一眼レフカメラから始めた方。ISO感度って何?って方も多いかと思います。
ISO感度とは説明が難しいのですが、カメラの基本性能を無理やり全部あげる魔法みたいなものです。
性能が上がるのなら高めに設定しておいた方がいいのかというと、そういうわけでもありません。
無理やり上げるということは、必ず弊害も生じてしまいます。
このISO感度を上げすぎると、ノイズが発生してしまうのです。
ノイズが目立ってくるとザラザラ、チラチラした写真になってしまいます。
そのため、ISO感度は出来るだけ低いほうが好ましいです。
三脚を据えたり、しっかり固定して撮る場合は、ISOは100に。手持ちで撮る場合は、しっかり構えてISOは200~400くらいに設定しましょう。
WB
WBとはホワイトバランスのことです。色温度とも呼ばれます。ホワイトバランスはオートではなく、マニュアルにしておきましょう。
6000K(ケルビン)くらいに設定すると、実際よりオレンジに写り、綺麗な夕日色になります。
撮影に必要なもの
❶ 三脚はなぜ必要か?
出来れば、朝日夕日の撮影には三脚を使用しましょう。なぜ三脚が必要なのでしょうか?
それは、昼間の撮影に比べて、暗くなるので、シャッタースピードが遅くなります。
昼間なら「カシャッ」っと撮れてたのに、朝日夕日になると「カァーシャッ」くらいな感覚になります。ちょっと分かりにくい・・(笑)
シャッタースピードが遅くなるとどうなるか。
もし手持ちで撮影している場合、ブレブレの写真になってしまうということです。
手持ちでブレないシャッタースピードの限界は1/30秒~1/50秒と言われています。(1/レンズの焦点距離とも言われています。)
意外と短い時間でもブレてしまうんですね。
それで三脚を立ててしっかり固定して撮影することをお勧めします。
僕が夕日撮影におすすめする三脚はこれ
この三脚は、アルミ製で安定性が高くかなりしっかりしているので朝日・夕日を撮影するのにぴったりです。
また、たたんだ状態で32cmとコンパクトながら、伸ばすと143cmの高さになります。
これだけの高さがあればガードレールや手すりなど障害物があっても、上にカメラが出るのでしっかり撮影することができます。
重量も1.15kgと持ち運びもラクラクです。
リュックにも入るサイズなので、険しい山道を登る際も両手が使えて安全です。
オールマイティーに使えるので、三脚に迷ったら「Manfrotto トラベル三脚 Element」を選んでおけば間違いないです。
❷ レリーズって?
レリーズというのは、シャッターを押す外付けのボタンケーブルです。
こんなやつ↓↓
レリーズを使うと良いのはなぜか?
シャッターを押すと、カメラに力が加わり、わずかにカメラが動いてずれてしまいます。
そうすると、ここでもブレブレの写真が出来上がる原因になってしまうわけです。
その点、このレリーズを使うと押す際の力がカメラに伝わらないので、ブレる心配がありません。
もしレリーズを持っていないなら、カメラのタイマー設定を使うとブレを抑えることができます。
タイマーを2秒、10秒などにセットし撮影しましょう。
朝日・夕日の撮影に適したレンズは?
朝日や夕日の撮影に、特別高いレンズは必要ありません。
広角〜望遠までこなせるキットズームレンズなどでも十分綺麗な朝日・夕日の写真を撮ることができます。
なのでまずは、キットレンズで設定を変えながらいっぱい撮影してみましょう。
「だいぶ慣れてきた!」
「設定わかってきた!」
「もっとダイナミックでインパクトある夕日の写真が撮りたい!」
と、慣れてきたら次のレンズにステップアップしてみましょう。
・広角レンズ
これは、「SIGMA 広角ズームレンズ 12-24mm」という超広角ズームレンズを使って撮った一枚です。
「空を大きく撮れる」のが広角レンズの良いところですね。
普通レンズだと、街か、夕陽か、どちらか主体で撮影しないといけませんが、超広角レンズだと一緒に写し込むことができます。
ちょっと重いけどわざわざ超広角レンズを持ってきて良かったなと思える瞬間です。
この広角レンズの詳しいレビュー記事はこちら。
関連記事
僕が旅するレンズとして超広角レンズ「SIGMA12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM」をおすすめする4つの理由
・明るいレンズ
「夕陽が沈んだ後のトワイライトタイムに街のあかりと絡めて撮りたい!」という場合は、少し明るめのレンズがあるとクリアで綺麗な写真が撮れます。
明るいレンズとは、F値(絞り値)の最小絞り値の値が小さいレンズのことです。
例えば、Canon(キヤノン)やNikon(ニコン)のキットレンズは、絞り値はF3.5〜5.6となっています。(エントリーモデル)
このF3.5という値が最小絞り値になります。
ここの値が小さいレンズを使うと、暗い中でも比較的クリアに明るく撮ることができるようになります。
この写真は、先ほどの夕陽の写真のちょっと後暗くなってきてから撮った一枚です。
使用しているレンズは「SIGMA Art35mm」というレンズなんですが、F値の最小絞り値はF1.4というとても明るいレンズです。
F値が小さく明るいので、ノイズも少なくクリアな夕景写真を撮ることができました。
夜景と絡めて撮りたい場合は、F値の明るいレンズも揃えておきたいところです。
このレンズの詳しいレビュー記事はこちら。
関連記事
神レンズ!|僕が旅するレンズとして単焦点「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM」をおすすめする5つの理由|海外旅行にも!
まとめ
設定のおさらいをしてみましょう!
モード | Avモード(絞り優先) |
絞り | F6.3-F11くらい |
露出 | マイナス側に |
ISO | 三脚なら100 手持ちなら200−400 |
WB | マニュアルで色温度高めに6000Kくらい |
カメラの機種によっては、WBを調整する際に、色を加えることができる機種もあります。
マゼンタを少し強くすると、幻想的で目を引く朝日、夕日の写真を撮ることができます。これは個人的な好みですが・・。
いろいろ試してみて、自分好みのお気に入りの設定を見つけてください。
ちなみに夕陽の撮影の場合、太陽が完全に沈んでしまったあと、しばらくしてから空が爆焼けすることがあります。
日が沈んだ後も少しだけ粘ってみましょう。美しいトワイライトタイムを堪能できるかもしれません。
またNDフィルターなどの撮影小道具を使うと、よりダイナミックで迫力のある夕景写真を撮ることができますよ。
さらに詳しい設定や、撮影テクニックを知りたい方はこちらの本がおすすめです。とても勉強になります。
それではみなさん、楽しい写真ライフを!質問などありましたら、コメントにてどうぞ。
《カメラの撮影方法・設定に関する記事一覧》
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