PM2.5対策のマスクやグッズを選ぶとき、どれを選べばよいのか迷いますよね。私が北京で住んでいた時に毎日使っていたマスクやグッズをご紹介します。百均で揃えられるものもありますので、これから中国に出張・転勤される方や日本でPM2.5が心配な方はぜひご参考になさっていください。
PM2.5の厄介な特徴
まずPM2.5の特徴をおさらいしておきましょう。
PM2.5とは大きさの単位で実際には「大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子径が概ね2.5μm以下のもの」と定義できます。PM2.5は容易に大気中の有害物質と結合します。さらに非常に小さい微粒子のため、呼吸と共に肺の末端まで到達してしまいます。つまり肺の奥底に有害物質を運ぶという訳です。さらに肺から血管に入り血液にのって体中に流れます。結果として体全体に有害物質をいきわたらせてしまうのです。
PM2.5に付着する有害物質のうち、最も多いのはベンゾピレンという物質です。ベンゾピレンは地球上で最も発がん性が高いと言われている物質です。中国で測定したところ、その値は基準の14倍となりました。
つまりPM2.5は体に発がん性物質を行きわたらせる助けをする超極小微粒子の有害物質と言うことが出来ます。
PM2.5は、
- とにかく小さい!
- 発がん性物質を体の中に運ぶ
という特徴があります。
対策方法は一つしかありません。「体内に取り込まない」ことです。そのために役立つ対策グッズをご紹介しましょう。
PM2.5対策におすすめのN95マスク
まず揃えるべきはマスクですね。
といっても普通のマスクではPM2.5を防ぐことはできません。非常に小さい粒子のため普通のマスクの網目をすり抜けて体内に達してしまうためです。
一般にPM2.5対応として売られているマスクの中には、簡単にPM2.5を通してしまうものもあるので気をつけましょう。
一般的にDS2(日本・厚生労働省)かN95(米国・NIOSH)の規格に合格したマスクが安全です。
世界的にはアメリカ基準のN95規格のマスクがPM2.5対策として効果があるとされています。N95規格のマスクは0.1μm以上の微粒子を99%カットでき、PM2.5をほぼ遮断できるからです。
実は、N99という規格もあり、N95の上を行くマスクも販売されているのですが、値段が非常に高いのでコストパフォーマンスで言えば今ひとつ。N95で十分です。
その他のマスクでは、鼻や横の隙間から普通に空気が入ってきます。前はガードできているものの、結構な風量で隙間から息を吸い込んでいるので、マスクの意味はほとんどありません。
さらに、謳い文句として
- N95クラス
- N95相当
- N95グレード
などの表記のマスクはN95規格ではない場合があります。よく気をつけて購入しましょう。
日本で購入できるN95マスクでは3M社製のこのマスクが最も有名でオススメです。
こちらは私が北京で最初使っていた3M社製9001V。後で調べたらN95規格ではないふつーのタイプでした。1ヶ月位使ってたんだけど泣。だから泣きそうな顔してるんですかね。結局、日本に帰った時に買い換えました。
N95マスクの特徴はアヒルみたいな口です。見た目的にはあまりイケてません。付けてみると「なんとも大げさだなあ」という見た目になるんですが、それでも健康のためには外せません。現地の中国人でこのマスクをつけている人は少ないのですが、日本人や韓国人、アメリカ人などの外国人の多くが普通にこのマスクをつけています。特にアメリカ人は「ナウシカのマスク」のようなごっついやつを付けています。冬の北京などに出張する際には最低でもN95マスクが必須だと思います。
このマスクのいいところは、完全に顔が密閉できるところ。
ピッタリと覆われるので、息を吸うときに全く漏れがありません。PM2.5を完璧ガードしてくれます。もちろんその分若干の息苦しさがあるので一日中付けておくことはオススメできません。2,3時間が限界でしょう。一度一日中つけていたことがありますが、酸欠状態になり頭痛がしてきました。私のように酸素が必要な方は外出時のみの着用がおすすめです。
実際に付けてみると口の前に空間があるので、話をするのは非常に楽です。また紐を頭の後ろに回すスタイルなので耳も痛くありません。ほっぺたと接するところもガサガサしているわけでもなく、蒸れもせず非常に快適です。鼻のところにはノーズクリップが付いているためメガネをかけても全く曇りません。吐いた空気は排気口から排出されます。
妻も使っていましたが女性の顔にもフィットするようになっています。
ちなみに、使用しようと思えば1周間くらい使えなくもないのですが、マスクの外側にはPM2.5がびっしり付いているわけですよね。冬の間ずっと滞在するならともかく、1,2週間の滞在なら1日で使い捨てくらいの気持ちで使ってもいいでしょう。1つが100〜200円ですので財布とも相談しながら使うと良いかと思います。中国でも買えなくはないですが、日本で買っておいて多めに持っておくと安心です。
完璧なマスクを揃えるとPM2.5対策の半分が終わった感がありますが、他にも揃えると良いグッズがあります。
PM2.5対策グッズ−これがあると便利!
他にも効果があると言われるPM2.5対策グッズをご紹介します。
空気清浄機
PM2.5は部屋の中にも浮遊しています。ごく小さな微粒子も除去したい時にはやはり空気清浄機でしょう。中国でもシャープのプラズマクラスターやダイキンのうるおい光シリーズが大人気です。
中でもシャープのプラズマクラスターはやっぱりすごい!
日本だとそんなに感じないんですが、明らかに空気が違います。部屋の空気が澄んでいるのが分かるんです。無意識に深呼吸したくなるくらい空気が綺麗なんです。
気のせい?いやいやいつも汚い空気に慣れていると、本当に違いが分かるんです。
ちなみに冬は窓を閉めっぱなしにしやすいですが、適度に換気したほうが健康によいと言われています。換気した後の空気を綺麗にする点でも空気清浄機があると全然違います。
参考:大使館のお知らせ
というわけで、プラズマクラスターはマジでおすすめです。
でも、なかなか空気清浄機を持ってくるのも大変という方もいらっしゃるでしょう。
最近中国で話題になっているのが「SmartAir」というフィルターを使う方法。
これは空気清浄機と同じ効果があるとされるフィルターで、後ろに簡単な薄型の扇風機を取り付け、空気を流すことで空気中のPM2.5を含む微粒子を吸着する仕組み。その原理は空気清浄機と同じでかつコストもかからないことから、爆発的な人気となっています。
販売単価は1枚200RMB(4,000円)ほどですが、タオバオでは80RMB(1,600円)ほどで売っています。ちなみに扇風機は30−50RMB(600ー1,000円)ですので非常にお得です。
参考:SmartAir
コロコロ
PM2.5対策のひとつは家の中に侵入させないこと。コートやジャケットにひっついているPM2.5をしっかりとっておくといいでしょう。
対策としては、「家の中に入る前に上着を叩いて落としておく」ことですが、同時にコロコロを使うと効果が倍増します。
我が家では玄関にコロコロを置いておいて二人でコロコロしあってました。というか妻の趣味でいつも部屋中コロコロやってます。主にほこり(PM2.5?)がくっつき目に見えるので、気分的にもかなり違います。
まとめ
実際に中国で私達が使っているものをご紹介しました。
毎年冬になると、北京の大気汚染が報道されますが、その他の季節でもそんなに空気が良いとはいえないのが中国。広州では比較的青い空を見る事ができますが、それでも空気が悪い日もあります。
参考記事:【中国広州】空気汚染はひどいのか|一年住んでみた感想「こっちにも青空はあるぞ!!」
PM2.5対策を整えて楽しい海外生活を送りましょう。