ネパールに滞在しようと思う場合、ゲストハウスという選択肢もありますが、少し長期になってくると料金が高いことがネックです。それで部屋を借りてしまおうという人も多いかもしれません。今回はお部屋探しのコツと、注意するべきことについて書いてみたいと思います。そもそもお部屋はどうやって見つけるの?どういう物件は避けた方がいいの?どの地区がおすすめ?気になる点にずばりお答えします。
ネパールの部屋探しはどうするの?
ネパールで部屋探しをする方法は・・ずばり自力で探す!です。
不動産屋さんもない事はないんですが、取り扱ってるのは超高級物件とかになります。
ほとんどの場合は、不動産屋さんを通さずに、個人間で契約するという形になります。
街中を歩いていると、「To Let」と書いてある張り紙をよく目にします。その張り紙のある部屋は空き部屋です。そこに電話番号などが書かれている場合がありますので、自分で大家さんと交渉することになります。
最初から、ネパール人相手に部屋の交渉などをするのは、ものすごくハードルが高いので、ネパール人の知り合いとか友達とかに頼んでついてきてもらうといいと思います。
あとは、裏技ですが、ゲストハウスを営んでいるオーナーさんは家を何個も持っており貸し出している場合があります。信頼できそうなオーナーさんなら、家探してるんだけどと相談してみるのもいいかもしれません。ゲストハウスのオーナーさんなら外国人慣れしているので、いろいろとスムーズに行くかもしれません。
部屋を借りる際に気をつけるべき5つの点!
1. 治安
まず最初に考えるべきは治安です。比較的治安が良いと言われているネパールですが、やはり危ない人はいるものです。特に女性であれば痴漢などの被害もあります。暗く狭い道を通らないと帰れ無い家などは避けた方が懸命です。
また、同じ地区であっても、川を隔てて向こうの地区は治安が悪いとか、路地一本中に入ると危ない地区といったこともあります。この辺は、僕ら日本人ではなかなか分からなかったりするものなので、ネパール人の知り合いがいたら聞いてみるのも一つの手です。
さらに、ビルによっては不特定多数の人が自由に入れるビルがあります。そういったビルは治安面がとても心配なのでやめた方がいいです。たいていそういったビルは各回1部屋ごとに貸し出ししているビルです。
出来れば、1F・2F・3Fとフラット貸ししている家のほうが安全面ではおすすめです。
2. 大家さん
治安の良い地区、住みたい地区が決まったら、家を探していきますが・・。ここで注意しなければなら無いのが、大家さんがどういう人か?ということです。どんなに良い家、条件の良い家であったとしても大家さんが良い人でなければ意味がありません。
大家さんが良い人かどうかという表現には実は幾つかの意味が隠されています。
・文字通りの悪人ではないか?
大家さんの中には、留守の間に金品を盗もうとする人もいます。
また特に女性の場合は慎重に見極める必要があります。
結婚して奥さんがいるので大丈夫だろうという考えは捨ててください。ショッキングな話ですが、ネパールでは一夫多妻の文化があり、たとえ奥さんがいてもそういう関係を持っている人は少なからずいます。しかも家族・親族の中でです・・。みんな知っているのに黙認している場合が多いです。
本当に信頼できる人かどうかをしっかりと見極めましょう。またもし家を借りてしまったあとに、おかしいなと思うことがあったら、すぐに引っ越しましょう。誰かに頼りたくてもみんなグルの可能性もありますので。
・干渉系大家さんではないか?
ネパール人は、一緒の建物の中に自分の部屋を借りて住むというのが当たり前。トイレは共同。なので、意外と自分のスペースに人が入ってきても気にしない・・。
そういう風土ゆえにか分かりませんが、大家さんが勝手に部屋の鍵を開けて入ってくる場合があります。
すごく親切そうに見えたが、実は干渉系大家だった!なんてことにならないように、しっかりチェックして見極めるようにしましょう。
いままでずっと外国人相手に部屋を貸してきた大家さんや、長い間外国に出稼ぎに行っていた大家さんなどは、外国人の気質を理解しているので、こちらの気持ちも理解してプライバシーに気を払ってくれる人が多い気がします。
3. 陽当たり
治安の良い地区、信頼できる良い大家さん、この2つをクリアしてはじめて、住まいの条件になってきます。
まず確保しておきたいのは日当たりです。どれくらい部屋に日光が入るか。これはネパールでは死活問題と言っても過言ではありません。
なぜ死活問題かというと・・。
・寒くて死ぬ。
冬場は、煉瓦造りかつ隙間風の入る作りの部屋はとても寒いです。またネパールは暖房設備もろくにありませんので、昼間の日光が命になります。ネパール人は冬場になると、お昼屋根の上などにあがって、日光浴をしています。そうしないと夜の寒さに耐えきれないのです。お日様のぬくもりを目一杯浴びて体を解凍しているんです。
ネパールのとくにタメル周辺は、人口の増加に合わせて、隙間なくビルを建てているので、全く陽が差し込まない部屋が無数と存在します。値段が安いからという理由で即決しないようにしましょう。冬場間違いなく後悔しますよ。
・カビにやられて死ぬ。
また問題は冬場だけではありません。ネパールには雨季があります。陽の当たらない部屋で雨が続くと、壁から白い胞子が生えてきます。そう、カビです。ネパールのカビはものすごく強力です。
このカビのせいで体調を崩す人が本当に多いです。壁だけでなく、カーペットの下もぐちゅぐちゅで不快極まりない環境になってしまうことも。
ということで、家を決めるときは、日当たりの良い家を選びましょう!
この写真は、僕がネパールで最初に借りた家です。この家の1F部分をまるまる借りていました。
割と新しい綺麗な家でした。塀も高く防犯面ではすごくよかったんですが、この塀の高さのせいで陽があまり差し込まず、雨季になるとカビにやられて大変でした。思ってた以上に酷かったのでけっきょく引っ越しすることにしました・・。
みなさんも慌てて引っ越しする結果にならないよう、陽当たりはしっかり考慮して家を決めるようにしましょう。
4. 水
つづいて考えるべき問題は「水」です。カトマンズの水問題はかなり深刻です。
日本では水道をひねると綺麗な水が出て飲み水としても使えるという恵まれた環境ですが、カトマンズはとにかく水不足と水の汚染がひどいです。
・水不足が深刻
まずは、慢性的な水不足について。
だいたいのビルは、地下に水を貯めるタンクを埋設してあります。それをポンプで屋上にあげて蛇口から水が出るという仕組みなんですが、実は上水道が来るのが1ヶ月のうちに数時間程度ということもザラなんです。
大家さんたちは、その時間に蛇口を目一杯開けて、地下のタンクに水を貯めます。ですが、ほんの数時間でいっぱいになることはありません。あとは無くなったら水のタンク車を呼んで入れてもらう必要があります。
乾季の間は、タンク車を呼んでもなかなか来てくれないことも。カトマンズの水不足は本当に深刻なんです。
ちなみに、タンク車を呼んで水を入れてもらう際、大家さんとタンク車の料金を折半というパターンが多いです。
ただ、ビルによっては地下に専用の井戸を持っており、その井戸水を組み上げて使っているところもあります。そういう物件を探せると水の心配がかなり減りますね。
・水の汚染のレベルが半端ない!
水不足に加えて、もう一つ問題なのが、汚染されているということ。
カトマンズの水はありえないほど汚染されています。もちろん煮沸しても飲むことなどできません。歯磨きの水としても使えません。飲料水は必ずボトルでミネラルウォーターを買う必要があります。そのミネラルウォーターも暑い時期に苔が生えたりするという・・。もうどんだけやねん、ネパール!と突っ込みたい気持ちです。
それで、水を浄化するために、ネパールのお店には浄水器が売ってあります。部屋を借りる場合、日本人にとっては必要不可欠なものですので、ちょっと値は張りますが、ここはケチらないようにしましょう。
水の問題については、リングロードの中が特に酷いです。
じゅんじゅんが一時期住んでいた場所はリングロードの外で、比較的水の豊かな場所でした。なんの心配もなく水をじゃかじゃか使えてたのでストレスを感じずにすみました。タメル地区周辺は買い物などは便利ですが、水の問題も含めて本当にストレスの多い地区です。
なかには水問題に敏感な大家さんもおり、屋上に大きな浄水タンクを設置している場合もあります。そういった家に空き部屋が見つかるとかなりいいかもしれませんね。
5. 電気
もう一つ考えておくと良いのが、電気の問題です。現在、政府の担当が変わったことにより、計画停電は行われていませんが、またいつ再開されるかわかりません。
停電の時に役立つのがインバーターと呼ばれる機械です。バッテリーに電気を貯めておき、停電中に電気を使えるようにすることができます。
その際、インバーターライン(バッティーライン)の追加配線をする必要があります。なので、もし最初から、インバーターラインの配線が施されている物件を見つけることができればかなり楽です。
もちろん、入居後に電気屋さんを呼んで、あとから配線を足してもらうこともできます。部屋数にもよりますが、Rs.1500〜3000ほどかかると思います。
まぁ、こちらは前述した、「陽当たり問題」・「水問題」と比べるとさほど大した問題ではありませんので、頭の片隅にでも置いておいてもらえばいいかと思います。
以上をふまえてオススメの地区は?
リングロードの外
リングロードの外、郊外の方へ行くと、エアコンとバスタブ付きの4LDKのフラットが2万円とかで借りられるところもあります。しかも、新築!リングロードの中とは違いゴミゴミもしていませんし、周りは田んぼ畑の多い地区なので、日当たりも良好です。水も問題なく使えます。どれだけ使っても大家さんから怒られないなんて素晴らしいです。もちろん交通の便なども考えないといけませんが、リングロードの外の方が家を探すのにはいいかなと思います。
リングロードの中
リングロードの中だと、大統領邸や各国の大使館が軒を連ねるBaluwatar(バルワタル)地区や、外国人の多く住む街パタン周辺のJawalakhel(ジャワラケル)Pulchowk(プルチョーク)あたりが条件にあった部屋や家を探しやすいと思います。
基本おしゃれなカフェなどの多い地区は外国人が多く住んでおり、住みやすい街であると言えると思います。Pulchowkから中に入ったあたりは、ここは本当にネパールなのかと錯覚してしまうCafeSomaや、日本食の美味しいCafeUなどおしゃれなカフェがたくさんあります。
この周辺は、道を歩いていても多くの欧米人に会いますし、カフェなどに入っていてもお客さんの多くは欧米人(長期滞在者)です。
ちなみにCafeSomaのガラスには、ときどきToLet情報が貼られていることがありますよ。
まとめ
いかがでしたか?今回はネパールの家探し事情について書いてみました。ぜひ参考になさってみてくださいね。この情報を見ておられる方が素敵な家と出会える事を願っています。
あ、最後に大切なことを書き忘れていました。
値段交渉をすることを忘れないでくださいね。粘り強く交渉することで、かなりの確率で安くなります。その日に決めるのではなく、「考えとく!」と言って引き下がるテクニックを使ってみてくださいね。
いずれにしても、ネパールで部屋や家を借りる場合、ある程度の交渉が必要ですので、ネパール語の習得が鍵かもしれませんね。
以上 じゅんじゅんの「ネパールで部屋を借りるときに注意すべきこと5つの点」でした〜。