たびハック企画で九死に一生体験を募集しました!
いろんな旅のトラブルについて集まった体験談を公開します!
今回は、LCC(格安航空会社)利用した時に経験したガクブルトラブル。どうぞお読みください。
命の安全か、値段の安さか、究極の選択の先に!
フリーターをしながらバックパッカーをしていた時の経験です。
アジアに向かう際にどの航空会社を使うか!?というのは毎回の旅行での難題でした。安全性やサービスの面では、大手や日系を使いたいのはやまやまですが・・・ぎりぎりまで節約をしたい貧乏旅行では、飛行機代はなるべくケチりたいところですよね。
当時バックパッカーの間では「イスラム系の航空会社は危ない」という噂が流れており、「トラブルが起きてもアッラーの思し召し!と対策をしない」「パキスタン航空のコードPIAは、パーハップス・アイ・アライブ*の略だ」などと言う都市伝説がまことしやかにささやかれていました。 *おそらく生きてるかもの意味
ちょう飛行機事故が多発していた時期でもあり、そのほとんどがイスラム系の会社ということで、私もなるべく乗りたくはなかったのですが・・・。
インドへ向かう航空券を探しているときに見つけた、破格のチケットがまさにイスラム系航空会社のものでした。
「そして、命の安全か!?」「安さか!?」という究極の命題の前に、悩んだ末に貧乏パッカーの私は「危険で安い」方を選択したのでした。
当日、空港を飛び立った飛行機は始めは順調でした。機内食も食べ、半分くらいの距離を飛んだところでトラブルは発生しました。
機内に雑音混じりのアナウンスが流れました。ザーザーと音質が悪く、英語が苦手な私にはうまく聞き取れません。ちょうど近くの席に、インドにボランティアに行くという日本人のシニアグループが座っていましたが、そのメンバーも不安そうにざわつき始めました。
アナウンスは続き、その雰囲気からもあまり良い知らせではなさそうです。
すると、前方にいた日本人女性が立ち上がりCAさんと会話。備え付けのマイクを手に日本語で話し始めました。
「CAさんに聞くと、現在はバングラデシュ上空です。向かうデリーは天候悪化のため到着が見込めません。また燃料の不足が起きるため、デリー手前のどこかの都市に緊急着陸の恐れがあるそうです!」
その女性は英語が堪能で、日本発の便のため乗客の半分近くが日本人だということからアナウンスの通訳を買って出てくれたということ。状況がわかりホッとしましたが、じわじわと恐怖心が起こってきました。
「天候不良」は仕方ない。
しかし、「燃料の不足」ってどういうこと!?
CAさんたちは特に慌てる風もなく、「いつものこと」という体で座っています。日系の飛行機でCAさんが落ち着いているとこちらも安心できますが。その時は逆に「少しは動け!安心させろ!!」という気分でいっぱい。
そして窓側の席だった私が地上を見下ろすと、そこにはバングラデシュの干からびた大地が見渡す限り広がっています。カラカラに干上がり、地面のヒビが延々と続いている光景は・・・絶対にあんなところに落ちたくはない!と身震いを起こさせるものでした。
そのうちだんだん機体は下降体制に入りました。大きく揺れてはいませんが、ガタガタという小刻みな揺れが気味悪く感じられます。頭には「燃料の不足」というイメージがこびりつき、生きた心地がしません。
そのうち、ドッシン!!と大きな衝撃とともに飛行機は着地。しかし確実にデリーではありません。いったいどこに緊急着陸したのか・・・。ざわつく機内で何とか得た情報は、「カルカッタにとりあえず降りた」「機内から出ることはできない」「機体整備と燃料補充をするので、いつ出発するか不明」ということ。
結局、機内から出ることはできずに5時間を過ごしました。ここまで来たらデリーまでまたこの飛行機と運命を共にしなければなりません。疲れ果ててあきらめの気持ちもある中、何とかデリーに到着したのは深夜でした。
不安の中、バングラデシュの荒れた平野を見下ろしたとき「命は神に任せるしかない」と思考停止をしたあのときのことは、忘れられません。
執筆:なっちゃん
編集者より。
なっちゃんさん、記事投稿ありがとうございます。
どうしても海外行ったり来たりの移住生活者や、バックパッカーにとって、飛行機代はケチりたくなるところですよね。
わたしも格安航空便の燃料不足でバングラデシュのダッカに着陸して、給油に3時間くらいステイしたことあります。
英語でのアナウンスなので、何が起きてるかも、イマイチ分からずというのは、本当にキツイです。
日本の航空運賃の値段が高いのは、やはりそれだけ安全、サービスに注意を払っているからこそなんですかね。日本の航空会社の対応がいかに素晴らしいかを考えさせられます。
皆さんも、格安航空会社を選ぶ際は、突発的に不足の自体が起こるもんだと考えて利用しましょう。複数のLCCを乗り継いで、目的地まで行かれる場合、遅延やトラブルは付きものですので、時間的猶予を十分にもってブッキングしましょう。