ナマステ!
ネパールの燃料危機についてご存知でしょうか?この小さな国の危機的な状況は、日本のメディアではほとんど報道されていません。
これまでの経緯
2007年 王政崩壊
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民主主義的な仕方で政治が行われるようになる
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でも、いろんな党派が派閥争いを繰り返し、なかなか選挙もできない
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当然、憲法も作れない
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宙ぶらりんな状態のまま2015年突入(その間に議会は誕生しました)
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2015年 8月 ようやく憲法制定!おめでとう!
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インド 「ネパールに住んでいるインド系住民の権利が弱まった!
憲法が気に入らない!憲法を変えろ!」
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インド 「変えないつもりなら、よし!国境封鎖だ!」
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医療品・ガソリン・調理用ガスなどが入ってこなくなる
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備蓄も底をつく
今の状態は?
2015年12月25日付けの大使館からのお知らせにはこうあります。
燃料供給事情
報道では、ネパール石油公社はネパール国内の調理ガス(LPガス)供給に関し、「現在、国内需要比11%の調理ガス(LPガス)を輸入しているが、カトマンズ盆地内における調理ガス供給量は、需要比4%にとどまっている。これは、タライ地域での抗議活動等の影響を受けカトマンズ盆地まで運搬できず、輸入されたLPガスの多くがタライ地域の供給に回されているためである。」と公表しました。
ということで、カトマンズの調理用ガスは需要比4%になっているようです。
今は、中国から少しずつガソリン・ガスなど輸入してはいるようですが、それでも中国との国境は険しい山。中々思うようにいかないのが現実です。
先日、目にした風刺画です。(写真を撮っていないので、わたしの絵です。すみません。)
人差し指を怪我したフランスを、お医者さんに見立てられた諸外国が必死に治療を施しています。しかし、その横には…包帯グルグル巻きで何の治療もされないネパールが。
この人差し指の怪我というのは、どうやらパリで起きたテロを表しているようです。もちろん、わたし自身はパリで起きたテロを単なる人差し指の怪我程度とは思っていません。が、ネパール国民にとってそれ以上に今ネパールは大変な状態なんだよ!!というのを、この風刺画は伝えたいようです。
2015年4月に起きた巨大地震。その後の8月から続く燃料危機。
今、ほとんどの家庭ではガソリン・調理用ガスは底をついています。発展途上国とはいえ、一国の首都でありながら、ここカトマンズの多くの家庭では今、薪で調理がなされています。
しかし、それよりもひどいのが田舎の地域。地震で家が崩れ、未だにテント暮らしの人たちも大勢います。そんな中を襲った、この燃料危機。暖をとる術もなく、寒さで何人も亡くなっているというニュースが新聞に載っていました。
30年前にも同じようなインドによる国境封鎖が起きたようですが、その時は約1年続いたようです。ネパール国民も、長期戦になることを見越しているような感じです。
本来、たくましく逆境に強いネパール人。今回も、それなりに生活を送っているようにも見えますが、やはり一刻も早くこの状況が改善されることを願うばかりです。貧しい人たち・本当に大変な思いをしている人たちのためにも。
わたしたちの生活
ガスがない状況で、はたしてどう生活するのか?煮炊きは?お風呂は?この燃料危機の中、わたしが使っているものをご紹介します。
まずはこちら!
なんのために使うのかといいますと…
あっつあつのお湯ができます!注意点としては、コイルを水に浸けたまま、「お湯どれぐらいあったかいかな〜」なんて手をつけると…感電します。
この子のおかげでLPガスがなくても、温かいお湯でシャワー?水浴び?ができています!
お次はこちら!
どうしても火が使いたい時は、このカセットコンロちゃんの出番です。
それ以外の時は…
この炊飯器、とても優秀で…
ご飯と蒸し野菜が一気にできてしまいます!
正しい使い方ではありませんが、炊飯器を熱し続けると、炒め物もできますよ。鍋やスープはもちろん、ケーキも焼けるし、今度はお豆を炊いてみようと思ってます。
最後に…
こちらも優れもので、中に入れたお湯が一晩経っても熱々のままです。
停電に気をつけろ!
しかし、これらすべてを停電のない時間帯に行わなければなりません。
ちなみにわたしの住んでいる地区の停電計画表はこちら。
日曜日 | 05−14,18-22 |
月曜日 | 11-19 |
火曜日 | 03-10,14-20 |
水曜日 | 06-15,19-23 |
木曜日 | 10-16,20-24 |
金曜日 | 04-12,16-22 |
土曜日 | 04-11,15-21 |
一週間のうち82時間が停電です。
この時間内には電気は使えませんので、電気が来ているうちに家事をこなさなくてはいけません。朝10時であろうと、夕方4時であろうと、ご飯を作り、電熱線でお湯を沸かしてお風呂に入る。電気ケトルでお湯を温めて、魔法瓶にうつす。ついでに、夜寒いので湯たんぽも電気のあるうちに〜…と忙しく動いていると、あっという間に、また停電。
そんな繰り返しです。が、あるものの中でなかなか楽しく暮らしていますよ。
でも、ネパールにご旅行に来られる方はお気をつけくださいね。そして、やはりこの状況が早く改善されることを願っています。