海外を旅してみたい、海外移住してみたいという方も最近はぐんと多くなりました。でも旅人になるほどのアクティブさはないけど、海外移住はハードルが高そう。と考える人も多いようです。そんな方に、「旅しながら定住する」というライフスタイルをご提案いたします。
旅しながら定住するというスタイル
まず初めにお断りしておきたいのは、このブログは旅人を否定するわけでも、海外移住をお勧めしないわけでもありません。
実際私は中学生の時には深夜特急をバイブルとして何度も読み漁り、海外を旅する自分を夢見るバックパッカーおたくでした。その結果見事に、リュック一つでカトマンズの街をほっつき歩くのが大好きな旅人となりましたし、今もその気持ちは持っています。
そんな私の今のライフスタイルは「旅しながら定住する」という一見相反する生活です。
では、旅と定住(移住)に明確な差があるかというとその定義は人によってやや差があるように思います。
私の中では、
旅→ホテル・ホームステイ、AirBnBなど日払い。
定住→1カ月・3カ月払いなどで家を借りて住む。
という違いです。
日払いで部屋を借りる旅人は必然的に一つの場所にいる時間が短くなります。
一方、ある程度長期で部屋を借りるスタイルだと、腰を据えてその町と対峙することになります。
その結果、その町の良い面だけでなく、悪い面も見えてきます。隣人トラブルが起こるかもしれません。旅人が表面的に見て感じるものとは違うダークサイドを目にする機会が多くなります。
海外移住を夢見て海外に越してきた人の中には、こうしたダークサイドを見て、こんなはずじゃなかったと失望して日本へ帰国する人もいらっしゃいます。ちょっと残念ですが。
「旅をしながら定住する」というライフスタイルはその両方のいいとこどりをしたようなライフスタイルです。
旅人として異国情緒あふれる街並みや人々の文化に触れ、感動や発見を大切にします。一方で楽しく住めそうなところには、腰を据えて、良いものも悪いものも目にします。その結果、自分の生活にある程度の責任を持つようになります。このスタイルでは「旅の恥は掻き捨て」のような行動はとれません。
もちろん時には、嫌なこともあります。停電や断水はまだマシ。一番の問題は人間関係です。差別、友達だと思っていた現地人の裏切り、詐欺などに当たることもあります。1日限りの関係の旅人とは違い、嫌な人ともそれなりに付き合っていかなければなりません。これは仙人のように山の上で暮らさない限り、世界のどこに住んでいても同じです。
でも、いろんな人との関係が自分を強くし豊かにしてくれます。ここが「定住する」のいいところ。
時に、自分の苦手な人と隣人になると、自分のコミュニケーション力や人間力をアップさせるチャンスだととらえています。完全な旅人スタイルではこうはいきません。「あんなに嫌な奴だと思っていたけど、3カ月付き合ってみると意外といいやつじゃん」というような経験や、また逆に「フィーリングは最高に合うんだけど、付き合ってみたら最悪だった」というような経験がしにくいのが旅人です。
定住スタイルでは、深いお付き合いができます。その分、深い関係になったり、自分のアラが見えたり。
ただし、限度を自分で決められます。
ここが「旅しながら」のいいところ。
ある程度まで努力して、「もう無理だ」と思うと、スパッと見切りをつけて引っ越すことができます。だって旅人なので。
日本の田舎のように、自分を隠して近所付き合いをしなければいけないしがらみもありません。
笑って過ごせるところでまたやり直せばいいだけの話。
世界は広い。何処へでも行ける。何処ででも住める。1,2,3、ダ~!
北京から広州へ
というライフスタイルで、2014年9月から北京で暮らし始めた私たち。
北京の生活は思った以上に最高でした。優しい友がいたことや、純粋な中国人に励まされることが多く、人間関係は良好。もちろんそれなりに凹むことはありましたが、自分を豊かにしてくれる出会いが多く本当に恵まれてたなあと思います。
でも一つだけ問題が。
空気めっちゃわるい。
PM2.5が猛威を振るい、気分は腐海のど真ん中。
ナウシカが迎えに来てくれなかった私たちは、後ろ髪をひかれながら9カ月の北京生活に別れを告げることにしました。ちょっとあんな真っ白むりっす。
そして、やってきたのが、南の大都市広州。
現在、5カ月をこの都市で過ごしましたが、なかなかどうしていいところです。かなり気に入っています。とりあえずもう少し住んでみる予定です。
5カ月住んでいても新発見だらけで、刺激の多い街です。
という訳で、「旅しながら定住する」というライフスタイル。かなりおススメですよ!