海外で被災した時に行うべき7つのこと|ネパール大地震の被災者が語る海外防災マニュアル

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かねてより日本は、地震を始め噴火や洪水など数多くの自然災害に見舞われてきました。近年では特に、東日本大震災を機に改めて防災意識の高まりが見られ、いざ被災した時に行うべきことが広く周知されています。

しかし、日本だけでなく、渡航先の海外でも何らかの自然災害によって被災するリスクがあります。

では、海外で地震・洪水・噴火などで被災した際、まず行うべきことは何でしょうか。行うべきでないことは何でしょうか。

わたしは、2015年にネパールで起こった大地震を経験しました。

幸い生き延びることができたのですが、今振り返ると行うべきであったこと・行うべきでなかったことが脳裏に浮かびます。

海外移住・海外旅行の前に一読して損はない情報をシェアしていきますね。

  • ネパール大震災の体験記はこちら。

(参考記事: ネパール大震災を生き延びて〜大地震の日本人生存者が体験を語る

  • 被災前にすべきことはこちら。

(参考記事:海外旅行の前に準備しておきたい災害対策|被災前にすべき4つのこと

  • 海外でも使える防災グッズについてはこちら。

(参考記事:海外で被災した時に役立つ防災グッズ6つ|かさばらず持っていきやすいアイテム

 

被災した後にすべきこと7つ。

①大使館と日本の友人や家族に連絡する。

災害後すぐは、まだネット回線が使えることがあります。数分で途切れる可能性が高いですので、その一瞬の隙に日本の家族に安否を知らせておきましょう。

一瞬の隙しかありませんから、LINEやFacebook、TwitterなどのSNSのタイムラインに一言「無事です!」と載せておくのも一つの手ですね。とにかく、自分の安否を知らせましょう。

大使館からの連絡はネット回線を使う場合もありますが、地元の電話回線を使って携帯電話に連絡が来ることが多いです。しかし、いずれにせよ携帯電話回線も遅かれ早かれ寸断されかねませんので、早めに安否情報を送っておきましょう。

②安全な避難場所に避難する。

避難所候補1.日本大使館や日本国総領事館。

日本大使館や領事館は、災害時の避難所として解放されます。自分が被災した場所から大使館もしくは領事館が近くであれば、すぐにそうしましょう。

しかし、大使館や領事館のある地区の被害の程度が分からない場合や徒歩で向かうにはあまりに距離のある場合は、むやみに体力を消耗しないほうが懸命であるかもしれません。

また、向かう道中にも狭い路地や陥没した道路を通らなければならない可能性があります。余震や二次災害の危険がある中、向かうのが懸命な判断であるかをよく考えて決定しましょう。

避難所候補2.信頼できる人のところ。

災害時は、どうしても気持ちが荒みがちです。外国ともなると、すぐに治安が悪化しかねません。

もし、大使館や領事館に避難するのが現実的でない場合、現地人でも在留邦人でも構いませんから、とにかく信頼の置ける人の元に身を寄せましょう。

自分の家の大家さんでも構いませんし、在留邦人の友人宅でも構いません。とにかく、暴動・強盗・泥棒・レイプなどの危険から身を守るために信頼できる人と集団で行動するようにしましょう。

避難所候補3.日頃出入りしている施設。

もし、日頃から出入りしている施設があり、そこが自分の現在地から近いのであれば、そこに避難しましょう。

海外ボランティアをしている人であれば、その事務所でも構いませんし、現地の日本人互助会のようなものに出入りしているのであれば、そこに身を寄せましょう。

③避難後はむやみに出歩かない。

安全な場所に避難した後はむやみに被災地を出歩かないようにしましょう。

友人や親しい人がどこにいるのか、安否が気になって、いてもたってもいられない気持ちになるのは当然のことですが、街がどうなっているのかという興味本位で被災地を出歩くことは非常に危険です。

余震などの危険もありますし、治安が悪化している街を外国人が歩くと犯罪に巻き込まれるかもしれません。

さらには、遺体などを目の当たりにすることによって、PTSDなど精神の不調を招きかねません。

④取り入れる情報の取捨選択をする。

不安を煽るような情報は取り入れない。デマにも注意。

被災地でいると、どうしても情報不足になります。何か情報があれば、すぐに飛びつきたいという気持ちにもなりますね。

しかし、被災状況についての情報(例えば、凄惨な現場についての詳細な描写)を取り入れすぎるのは非常に危険な行為と言えます。

被災地では、「情報を取り入れ過ぎると危険である」ということは、とかく盲点として見過ごされがちなのが現実です。

被災者は、日常では経験し得ない災害を体験していますから、精神がかなり不安定な状況に置かれています。この事実に、被災直後、被災者自身が気づくことは不可能に近いのです。

そのような状況で、自分の心を守ることまで頭が回らないまま、砂漠で水を見つけた人のように情報を次から次へと取り入れていくと、後々PTSDやうつ病など精神の不調を招くことになりかねません。

また、被災地ではデマも広まりやすいです。不安を煽るのみの情報を取り入れないよう、心を強く持ちましょう。

注意喚起についての情報は積極的に取り入れる。

感染症の蔓延や土砂災害など二次災害の危険について報道している情報があれば、率先して取り入れ、危険から身を守っていくべきです。

感染症蔓延の可能性があると報道されているのなら、水が限られている被災地でも手洗いを極力行うことができます。

エコノミー症候群の危険性もあるでしょうから、屈伸運動や少しの足踏み、踏み台昇降などを行いましょう。

土砂災害や津波などの危険があるなら、より安全な避難場所へ移動しましょう。

何かの行動を促すような注意喚起の情報は積極的に取り入れることが大切です。

マグニチュードなど地震のスペックを知りたい時はアメリカ地質調査所のHPへ。

日本で地震や洪水が発生した場合、気象庁のホームページを確認することで基本的な情報を得ることができます。

しかし、海外で被災した場合、どこをチェックすればよいでしょうか。

わたしが使っていたサイトは、アメリカ地質調査所のウェブサイトです。こちら→アメリカ地質調査所USGSの「Latest Earthquake」

こちらのサイトは、世界中のマグニチュード2.5以上の地震をリアルタイムで掲載しています。余震の情報などをこちらからチェックできるので、わたしはずっとお気に入りに保存しています。

このサイトは、海外に親族や友人がいる日本在住の方にもおすすめです。時折チェックしていれば、現地で起きている災害についてリアルタイムで知ることができます。

被災者に送るメッセージはよく考えてから送信しましょう。

もしあなたが被災者と連絡が取れる立場にいる被災地外の人であれば、「○○って地方で何十体の遺体が見つかったらしいよ。」「○○でビルが崩れて何十人も生き埋めになっているらしい。」などという非建設的で励まさない情報は送らないようにしましょう。

被災地で、被災者は必死に生きています。その生きる気力を削ぐような情報は送らないほうが良いのです。

送るのであれば、「○○という感染症が蔓延するかもしれないと報道されていたから、マスクをしたり手洗いをしたり気をつけてね。」など積極的で役に立つ情報を送ってあげましょう。

⑤ディザスター・ハイに十分気をつける。

「ディザスター・ハイ」はわたしの造語ですが、被災後、興奮状態に置かれた被災者が冷静な判断ができずに突発的な行動を取ってしまうことを表しているものです。

ランナーズ・ハイのように実際には体力的に苦しい状況にあるにも関わらず、興奮して苦しさを脳内で排除してしまう状態のことです。

大きな災害に見舞われたことのある人なら、多かれ少なかれこのような脳内の状態を経験しているはずです。

わたしも、今振り返るとなぜそんな行動をしたのか不明ですが、地震後10分も経っていない時に、大家さんの家を片付けるために建物の中に入っていったり、地震の翌日、まだ大きな余震が続く中、友人たちに言われるがまま、狭い路地を通り被災状況を確かめに行ったりしたことがあります。

そんなことは、まず行ってはいけない行為であることは明らかですよね。

それでも、どうにも被災地では冷静な判断力が失われるのです。

どうぞ、これをお読みの方は、被災した時、普段以上に「冷静であるよう」自分自身に語りかけてください。冷静さを欠いた周囲の被災者にペースを乱されないように注意してください。

⑥公共交通や飛行機の運行状況を調べる。

被災数日後、少しずつ状況が落ち着いてきたなら、安全な避難所から各種交通機関の運行状況について情報を集め始めましょう。

電話やメール、インターネット(回線が生きている場合)を使うこともできますが、被災地では足を使って情報を集めることが必要になるでしょう。

二次災害の危険性が弱まってきたのなら、少しずつ行動範囲を広げていきましょう。ここでも冷静な判断をすることが大前提です。

飛行場自体が稼動しているか。

日本へ安全に帰国することが可能でしょうか。

ネパール大地震の際は、海外からの救援部隊が飛行機で離発着するため、一般の旅客機の運行が一時制限されていました。ぜひとも飛行場が稼動しているかを調べましょう。

確認する一番早く確実な方法は、やはり大使館に掛け合うことでしょう。

しかし、もし大使館や領事館に避難していない、もしくは距離が遠いのであれば、電話やメールで問い合わせをすることができます。

航空会社の運行状況。

その国に運行している航空会社の現地オフィスは、大抵首都に設置されています。向かうことが可能であれば、足を運び運行状況を尋ねましょう。

災害時、飛行場は混乱状態になることが多いです。飛行場まで足を運んだものの、現地スタッフと話ができなかったということもありえますので、まずは現地オフィスに連絡を取りましょう。

そこまで行うのが体力的にもしくは言語面で厳しいのであれば、大使館に掛け合い調べてもらいましょう。

公共交通機関の運行状況。

飛行場までに鉄道・バスを使わなければならない場合は、公共交通機関の運行状況についても調べましょう。

カウンターに直接行ったり、鉄道会社に連絡したりして運行状況を確認することができます。

もし公共交通がストップしていたとしても、タクシーや自家用車、バイクは通行しているかもしれません。顔なじみのタクシー運転手や車を所有している知人に掛け合って、空港まで乗せてもらえないか頼むこともできます。

⑦帰国チケットを飛行場のカウンターで購入する。

海外旅行であれば、購入済みの帰国チケットがあるはずです。現地オフィスや大使館に確認を取り、運行できる可能性が少しでもあるのなら、当日飛行場へ向かいましょう。

海外に居住している方であれば、帰国のチケットは取っていないことがほとんどだと思います。大使館や普段使う航空会社のオフィスで、飛行機の運行状況や空席情報を教えてもらうとよいでしょう。

災害時は、情報が錯綜し混乱状態にあります。「空席があるかどうか、搭乗できるかどうか分からない」と言われる可能性も十分ありえます。

もし食料や防災グッズにある程度の余裕があるのなら、空港で寝泊りしながら、空席がないか毎日確認し、空きがあれば優先的に搭乗できるようにしてもらいましょう。

まとめ

もし、今被災地で不安な思いを抱え、過ごしている方がいるのなら、どうぞ自分の身の安全だけでなく、心の安全・心の健康にも注意を払ってください。

被災者と連絡が取れる立場の人がいるなら、積極的で実際的な情報を伝え、励ましてあげてください。

そして、今はまだ被災者でもなんでもない人も、いつか災害に見舞われる日がくるかもしれません。日本ではなく、海外で災害を経験するかもしれません。どうか、この情報が役に立ちますように。

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