ネパール人と日本人のコミュニケーションの違い|円滑な関係を育むための6つの実際的なスキル

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海外移住後、問題となるのは「現地の言葉を習得することだ!」と思っているそこのあなたへ。

現地の人と円滑なコミュニケーションを図る秘訣について、移住前にぜひぜひ知っていただきたいことがあります。それは、海外移住する前のわたし自身に伝えたかったことでもあります。

ずばり言うと、現地の人とコミュニケーションを取り、円滑な関係を育むためには、「言語」を理解するだけでは不十分なんです。

「言語」だけでなく、「習慣」を理解しよう。

わたし自身、移住前から、そして移住後もしばらくは、「現地の言葉を習得すれば、海外生活もなんとかなるでしょ!」と思っていました。

しかし、いざ蓋を開けてみると、言葉は理解でき話すこともできるのに、なぜか相手との距離が縮まらない。なぜか相手を怒らせたり、不快にさせたり。といったことが何度もあり、苦い気持ちを経験したものです。

「言語を理解すること」「言語を話せるようになること」は非常に大切ですが、いざ「言語」を理解しても「習慣」や「文化」を理解できなければ、ちぐはぐなコミュニケーションしか取れなくなります。

そして、互いに不完全燃焼な気持ちの残るコミュニケーションとなるどころか、自分が受ける権利のあるサービスが受けられないという損な状況に、ゆくゆくは陥ってしまうかもしれません。

「そこまで言うのは、大げさでしょ。」と思いますか?

いえいえ、そんなことはないんです。日本の公的なサービスは規則通り・規定通りに手続きが進められますから、手続きの方法さえ正しければ、受けるべきサービスは自動的にわたしたちのものとなりますよね。

しかし、場所が海外となると、話は違います。

特に、わたしの住んでいたネパールは、あからさまなコネ社会です。公的なサービスはもちろん、タクシーの値段、大家さんとの家賃交渉、近くで野菜を買う時に至るまで、「正規の値段・正規の手続き」はないに等しく、ほぼその相手との関係性で言い値や結果(サービスを受けられるかそうでないかの)が決まります。

一方で、ネパールでその「コネ」を作るのはさほど難しいことではありません。挨拶をし、世間話をし、親切を示し、心を通わせていくと、外国人であるわたしたちでも簡単に「コネ」を作ることができます。

ですから、言いたいのは「言語」を学ぶだけでは不十分でと言うことなのです。「習慣」や「思考回路」を理解し、円滑な関係を育まなければ、かなりの損をしながら日常生活を過ごすことになるのです。

わたしも、移住後かなりの損をしてきました。(もちろん、すべてが一概に損とは言い切れず、いい勉強の機会であったとも言えるのですが、ね。)

今思うと、不快にさせないで済んだであろう相手の顔が浮かぶこともありますし、コミュニケーションの取り方について「結構危ない橋を渡っていたな。」とヒヤリとするシーンも思い出されます。

移住後かなりの長い間悩まされた、ネパール人と日本人のコミュニケーションの違い。悩みながら模索した、そのハウツーをシェアしていきますね。

ネパール人とのコミュニケーションを円滑に図るスキル

その1.ネパール人との用事の時間は多めに見ておくべし。

ここで問題です。次のような状況の場合、あなたはどんな1日の予定を立てますか?

今度の土曜日、ご飯食べにおいでよ〜。
まんくまり
いいの?ありがとう〜。嬉しいな。朝ごはん?それとも、夜?
朝ごはん食べに来て〜。時間は何時でもいいよ。来たい時間に来てね。
まんくまり
OK。じゃあ、行かせてもらうね。

さあ、あなたはどんな予定を立てますか?ちなみに、ネパールの朝ご飯は大抵10時頃という知識は持ち合わせていることとします。そして、相手の家は近所です。

さあ、どうしますか?

こういう場面でわたしのよくしていた失敗があります。それは、12時頃に別の予定を入れてしまうという失敗です。

少し早めの9時半頃に家に行って、何かお手伝いをしながら、出来上がった食事を一緒に摂り、そのあと片付けを手伝ったり話をしたりする時間も十分にあるし。こんな風に考えていました。

じゃあ、なぜこれが失敗だったのかというと…ネパール人にとって食事に呼ぶというのは一番のおもてなしなんですよね。なので、これでもかと言うほどのおもてなしをしてくれます。

まず到着すると、食事はできていない場合が多いです。下ごしらえなどもまだの場合があります。これは、ゲストには出来立てを食べさせてあげたいというネパール人の気持ちだと受け取っています。

そして、食事ができるまでの間、まずはチヤ(お茶)とカジャ(軽食)が出てきます。このカジャは、ドーナツだったり、フルーツだったり、マルポワやシェルといった揚げ菓子、茹で卵、ジャガイモやひよこ豆のカレー味の煮物、ジャムを塗ったトーストだったり。

お気付きの通り、この時点で我々日本人の「朝食」は済んでしまうんですよね。気持ちはありがたいのですが、この時点でお腹はすでにいっぱい。

そして、その後家主と話をしながら、朝食(ネパール人の感覚の)を待てども出てきません。

「ご飯は?」とそれとなく聞いてみると、「さっきカジャ食べたから、食べれないでしょ?もうちょっとゆっくりくつろいでいてね。」と満面の笑みで返されます。

そうこうしている間に、時計の針は12時を差し始めます。こうして、ダブルブッキングになってしまうわけです。

今思い返しても、本当に苦い思い出です。次の約束の相手に電話して予定をキャンセルするか、それがどうしてもできないような予定なら泣く泣く先のお家をあとにするかの二択を選ばなければなりません。

次の約束の相手の呆れたような声や、食事の約束をしていたのに食事を食べてもらえずにゲストに帰られる家主の怒った悲しい顔、忘れられません。本当に申し訳ないことをしたと思います。「なんて無礼な人だ。」と思うしかありませんよね。

こんな苦い経験を何度もしてしまったわたしが声を大にして言います。

「ネパール人との約束は時間を多めに見ておいて!!(特にご飯の予定は。)」

多めに見ておいて何も損なことはありません。ゆっくりお付き合いを楽しんで、その時間を過ごしてください。そうすれば、「あなたはわたしの大切なお友達なのよ〜。」と態度で伝えることができますよ。

時に、相手の都合が悪く、早くお開きになったとします。他に入れたかった予定があれば、その時初めて次の相手に連絡すればいいんです。

日本だと突然の約束は嫌がられる傾向にありますが、ネパールでは急なお出かけのお誘いを嫌がる人はそんなにいません。フレキシブルな感覚を持った人が多いと思います。

こうして、ダブルブッキング、ドタキャンのリスクを極力避けていきましょう。

その2.大家さんとは家族のような付き合いを心がけるべし。

あなたがネパールで家を借りようと思っているなら、大家さんとの付き合い方には神経を使っておきましょう。

ネパールでは、大家さんたちは借主であるわたしたちを自分の家族として扱ってくれます。大抵の大家さんは親切心からしてくれるので、極力その気持ちを無下にしないようにしましょう。

ここで、また問題です。

今日は家賃の締め日です。あなたは11時から予定があり、10時40分には家を出なくてはいけません。時計を見ると、現在10時。パッと大家さんの住む階に行って、家賃を渡しにいくこともできそうです。

さあ、あなたはどうしますか?

この場合は、予定を済ませ、帰宅後に家賃を渡しにいくのが正解でしょう。

なぜなら、大家さんはわたしたち借主と話がしたいと思っている場合が多いからです。大抵、家賃を渡しにいくと、チヤを飲んでいくよう誘われます。

のっぴきならない事情があるのなら断ってもいいのですが、できるだけ大家さんと過ごす時間も大切にしておいて損はありません。

チヤを飲みながら、大家さんの最近の様子を聞いたり、日本にいる自身の家族からの大家さんへの感謝を伝えたりすると、関係がぐっと縮まりますよ。

優しい大家さんだと思っていても、共用部分の電気代をわたしたちが払うように上乗せされているなど結構ズルい手を使うこともあります。

日頃から本当の家族のように接しておけば、大家さんもあるべき接し方をしてくれるはず。(よっぽど卑怯な大家さんであれば、引っ越すのも手ですね。)

時々、大家さんの奥さんが体調を崩したり、入院したりする時もあるでしょう。そういう時は、何か一品でも構わないので、食事を届けることもできますね。とにかく、自分の父や母だと思って接していると問題はないでしょう。

ネパール人は人懐っこい分、人間関係に満足感や安心感を求める傾向が強いです。その期待を裏切ってしまうと、相手をひどく傷つけてしまうので注意しましょう。

その3.真面目な返答より愛とユーモアのある返答をすべし。

ネパール人は人懐っこいので、結構突っ込んだ疑問を聞いてくることがあります。

例えば、ネパール大地震後、仮設住宅建設のボランティアをしていた時のこと。よくネパール人に、こう尋ねられました。

給料いくらもらってるの?

これ日本人だと、いくら外国人相手でも聞きませんよね。人によっては、「失礼だな。」とカチンとくる人もいるようなセンシティブな質問です。

この質問について直接的に答えるなら、「給料はもらってないよ〜。」で終わりです。

ですが、ネパール人って真面目に返答しても満足しないんですよね。「じゃあ、どうやって生活してるんだ?給料もらってないのになぜこんなことをしてるんだ?」と、頭に更に疑問が浮かんできてしまうようで。

せっかくわたしたち日本人に興味を持って尋ねてきてくれたのですから、この機会に距離感をぐっと縮められる返答をしたいものです。

わたしがしていた返答はこちら。

給料いくらもらってるの?
まんくまり
給料?いっぱーーーーーーいもらってるよ!(したり顔で。)
え、いっぱいって??(期待に満ちた眼差し)
まんくまり
あなたたちネパール人から、いっぱーい愛をもらってるよ!それがわたしの給料だよ。

日本語にすると気恥ずかしい会話ですよね。打っていて、わたしも恥ずかしいです。

でも、ネパールでは恥ずかしがらずにこれぐらい甘いセリフを言うと、すぐに相手との距離がぐっと縮まるのを感じられるんです。

案外、上のような疑問を聞いてくるネパール人って、実際の給料の値段よりもわたしたち自身に興味があるんじゃないかと思います。彼らにとって聞きやすい疑問が給料のことだったというだけで。

人懐っこいんだけど、少しシャイなネパール人。こちらがぐっと一歩踏み出して心の距離を縮めれば、相手のとても嬉しそうな笑顔が見られますよ。

もうひとつのシーンは、チヤやご飯に誘われて、どうしても断りたい時。何と言いますか?

「大丈夫です。結構です。」だと、意思は伝わるものの、少し味気ない印象。わたしが使っていたのは、この言い回しです。

チヤ飲んでいってよ!
まんくまり
ううん、いらないよ。あなたの愛でもうお腹いっぱいだよ。

う〜ん、やっぱり気恥ずかしいですね。日本に帰ってきてしばらく経った今改めて振り返ると、「何言ってたんだよ〜。」と思ったりもしますが、そこは「郷に入っては郷に従え」の精神で恥ずかしがらずに頑張りましょう。

いくら現地の言葉が話せるといえど、所詮片言なんです。うまく気持ちが伝わらずに、相手を不安にさせていることも多いはず。見慣れない外国人を前にしている相手に、「敵意はないよ。大切に思っているよ。友達になりたいよ。」という感情を、少し大げさなぐらいの言葉で伝えましょう。

みんなで、スピードワゴンの小沢さんになりきりましょう!

その4.遠慮を忘れるべからず。

海外だからといって、ネパールでは遠慮を忘れてはいけません。

ネパール人自体、グイグイと関係を詰めてくるように見せかけて、実際とてもシャイで遠慮深い一面を持ち合わせています。

チヤやご飯に誘われた時、親しい相手でないならば、一度は必ず断りましょう。

以前、ネパール人と日本人ミックスのグループでピクニックに出かけたことがあります。外国人が珍しかったのか、あるネパール人男性二人がわたしたちのグループに近寄ってきて、「何をしているのか。」と話しかけてきました。

しばらく話をしても、なかなか立ち去ろうとしません。

そんな時に、同じグループのネパール人の女の子が言った一言がこちら。

あなたたちもチヤ飲んでいけば?

その一言を機に、相手の男性二人は「ううん、いらないよ。じゃあね。」と立ち去っていったのです。

そのあと、「こういう使い方もできるのよ。」と言った彼女の得意気な顔が忘れられません。

もちろん、何も知らない外国人として、チヤのお誘いに乗り、そこから始まる会話から得るものもたくさんあると思います。

でも、京都人の「ぶぶ漬け、どうどす?」のように「チヤ、カノス。(お茶飲んでください。)」を使う時もある(使う人もいる)んだと覚えておくといいかもしれませんね。純粋で素直そうに見えるネパール人の裏の一面を垣間見た瞬間でした。

こんなことを暴露したあとではありますが、ネパール人は本当に純粋です。ほとんどの場合、裏を読む必要はありませんからね。

そして、あまりにも遠慮深くなりすぎて、「何を考えているか分からない外国人」と思われてしまったり、得られるはずの貴重な体験をできずに終わってしまうのは残念なことですね。

何事もいい塩梅で行いましょう。

その5.「ドゥッカ ディンチャ」「ドゥッカ ディヨー」の言い回しを覚えるべし。

「ドゥッカ ディンチャ」「ドゥッカ ディヨー」とは「嫌な気持ちにさせました。」「迷惑をかけました。」「傷つけました。」というような意味です。(と、わたしは理解しています。もしニュアンスが違っていたら教えてくださいね。)

  • 図らずも、相手を不快な気持ちにさせてしまった時に。

「ソーリー。ドゥッカ ディヨー。」と言うと、申し訳なく思っているという気持ちを伝えることができます。

  • 何かの理由で相手が自分に一方的に腹を立てている時に。

少し子供っぽいところもあるネパール人。思い当たる節もないのに、どうも怒っていそうな相手に尋ねてみましょう。

「リサウヌバヨ?(怒っていますか?)」と聞いてもいいのですが、もう一歩下手に出て、「マイレ タパイライ ドゥッカ ディエ キ?(わたしはあなたを嫌な気持ちにさせましたか?)」と尋ねてみると、気持ちがフッとほぐれて何の諍いもなく終わることが多いです。

  • 自分のために何かをしてくれるとなった時に。

チヤを作ってくれるという小さいことから、引越しの手伝いをしてくれるという大きなことまで。

「パルダイナ。ドゥッカ ディンチャ ニ。(いらないよ。迷惑をかけるでしょ?)」と言ってみましょう。

遠慮を言い表す一言でありながら、世話焼きなネパール人が「とんでもない!よし来た、任せろ!」と思ってくれるような一言でもあります。

その6.嫌なことは嫌とはっきり伝えるべし。

ここまでのスキルで、八方美人的な印象を受けた方も多いのでは。

最後に一番大切なことです。嫌なことは嫌とはっきり伝えましょう。行間を読むことに関して日本人以上に長けている国民はいません。

チヤやご飯のお誘い、どうしても嫌な時や都合のつかない時があります。正直に、そしてはっきりとお断りしましょう。

家族的な接し方をしてくれる大家さん。一歩踏み込み過ぎて、干渉系大家になる人も多いです。(日本に帰国中に勝手に部屋を使われる。突然家の中に入ってきて冷蔵庫の中身を開けられる。など)

許容できる範囲を超えた場合は、我慢ばかりするのではなく、はっきりやめてほしいと言いましょう。

作ってくれたご飯を「美味しい」と言って食べるのも大切ですが、育ってきた食文化が違うのですから、どうしても受け付けないものもあるはず。「どうしても食べられない。お腹を壊してしまう。」ということを伝えましょう。

まとめ

ネパールは日本より人と人の関係が密です。それゆえに、人間関係で少しの勘違いから傷ついてしまうというセンシティブな面もあります。

少しシャイで、遠慮がちだけど、人のことが大好きで、お世話好きなネパール人。長い関係を続けたいのであれば、相手を大切に思っていることを言葉と態度で大げさに伝えつつも、嫌なことは嫌とはっきり伝えることが大切です。

魅力的なネパール人とのコミュニケーションを楽しみましょうね。

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