ネパールの住宅事情の中でも少し触れましたが、ネパールの水事情はかなり悪いです。
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特にカトマンズのリングロード(メイン道路で一周まわれる)の中は、「水不足」と「汚染」が深刻です。
今回は、飲料水についてのお話。飲料水はどうするの?ミネラルウォーターって安全なの?井戸の水は飲めるの?浄水器ってつけた方がいい?気になる点に一つずつお答えしていきます。まずはネパールの水事情について少しお勉強してみましょう。
ネパールの水事情
ネパールの水事情について説明している素晴らしい記事を見つけました。
ネパールは、一人当たりの利用可能水量は世界でもトップクラスの位置を占め、また、全世界の総淡水量の約2.7%を保持しながら、慢性的な水不足に悩まされている。
10年に及ぶ政治的混乱、利水計画の決定的な失敗、および周辺農村から首都カトマンズへの大規模な人口流入の結果、ネパールの社会的、経済的に不利な立場の人々にとって、安全な水の入手はますます困難になってきている。
ネパール中央統計局データでは、カトマンズでは5世帯に1世帯が水道や井戸などが自分の家に無く、全体の 2/3 が清潔とも安全とも言い難い水で生活している。
引用:雪を頂く山々、清冽(せいれつ)な渓流、なのにネパールの首都には飲み水がない!
本当にこの記事に書いてある通りですね。ヒマラヤ山脈からの雪解け水はたくさんあるはずなのに、それがうまく活用できていません。カトマンズの爆発的人口増加に伴い深刻になっている水問題。治水計画もずっと停滞したまんま・・。外国からは治水・利水のため、たくさんの支援を取り付けているようですが、政治的混乱とともにそのお金は一体どこに消えているんでしょうか。
こちらの動画はネパール人たちが、どのように水を使っているのかを取り上げた動画です。少し長いですが、リアルな事情が伝わるとても良い動画だと思います。
さてさて、今回はネパールの水問題の中でも、特に「飲み水」問題について考えてみましょう。
井戸の水は飲めるの?
ネパールでは、飲み水のことを「カネパニ」と呼びます。
よくネパール人は、「カネパニ」を求めて、井戸に行列をなしています。パタンなどの遺跡のある観光地にも水汲み場があるので、皆さんも見た事があるかもしれません。
ネパール人は、この水を沸かして飲んだり、子供達なんかはそのまま飲んだりしています。
果たして、井戸水はそのまま飲む事ができるのか?一度、リングロードの中で飲めるよと言われた水をネパール人の子供達と一緒に飲んでみました。結果わかった事は、外国人は、井戸水をそのまま飲むのはやめた方がいいです。
猛烈な腹痛に襲われて、大変な事になりました。
ネパール人は小さい頃から、そういった水を飲んできているので耐性がついているんだろうと思います。僕らは、いくらネパールの環境を愛していても、体は日本人。体は正直に反応してしまいます。
カトマンズの川はこんな感じでどこも汚染されてます。川面はゴミであふれヘドロ化しています。川のそばに近づくと異臭を感じます。地下水まで汚染が染みてると考えるのも無理はないことでしょうね・・。
でも、これはカトマンズの街中の話です。郊外の自然豊かな村へ行くと、とても綺麗な湧き水を飲む事ができます。一度ラニポワという村へ行ったのですが、そこで飲んだ湧き水は冷たくて、とても美味しかったです。
ただ、いくら綺麗な山々や自然に囲まれている村といっても、下水道などが整備されておらず、生活排水も垂れ流しなわけです。どこそこ流れている川であっても必ず飲めるとは限りません。現地のネパール人に尋ねると、飲める水の場所を教えてもらえます。
飲み水はミネラルウォーターを使おう!
ネパール人はその辺の井戸から組んだ水を飲んでいますが、僕ら外国人はやはりミネラルウォーターを買って飲むのが一番だと思います。
その辺のお店では、1㍑のペットボトルに入ったミネラルウォーターがRs.20〜25で売られています。外出時にはペットボトルのミネラルウォーターを活用しましょう。
では、家で使う飲み水はどうするか?
ネパールではこういった感じの20㍑容器に入ったミネラルウォーターが売られています。
まず最初にデポジット(容器代)として、Rs.350ほど取られます。
その後は、空の容器を返して、水の入った容器をもらうというシステムです。
水20㍑でRs.45〜50で購入できます。
家に持ち帰るのが大変だなという場合は、水屋さんに家まで持ってきてもらうこともできます。以前4F(ネパール式でいうと3F)に住んでいた際は、いつも水屋さんに電話して持ってきてもらっていました。
こんな感じで自転車で持ってきてくれます。
いつも2本運んできてもらっていたのですが、持ってきてもらった時は、「チヤでも飲んで!」と言って+Rs.20ほど渡していました。20×2本=40㍑、これだけの重さを持って上がるのはなかなか大変なのでかなり助かります。
さてさて、こんなミネラルウォーターですが、最初のうちはミネラルウォーターであっても一度沸騰させてから飲まれることをおすすめします。
慣れてくると、そのまま飲んでも大丈夫なんですが、最初の頃は安全パイで沸かして飲むのがいいとおもいます。
一度ミネラルウォーターが作られている工場に見学に行ったことがあります。リングロードの外の川沿いにある工場でした。工場といっても小屋みたいな感じでしたが・・。川の水はお世辞にも綺麗とは言えませんが、その水を引き込んで、ろ過装置を通し20㍑のミネラルウォーターにパッキングしていました。
ろ過の方法は、いたってアナログな「自然ろ過」。小石や砂、炭のようなもの?を水路に敷き詰め、さらに苔などを使ってろ過していました。
ろ過の基準も、日本と違ってけっこうアバウトなので、日本基準の安心を求めることはできません。事実、暑い時期にこのミネラルウォーターを放置していると、苔が生えることがあります。
ということで、不安な方や、ネパールに来て日が浅い方は、一度沸騰させてから飲まれることをお勧めいたします。
あと、レストランなどで出てくる水も、このミネラルウォーターを使っています。心配な方は「ウマレコパニ」(沸騰させた水)か「タトパニ」(暖かい水)をオーダーするようにしましょう。
より安心な方法は、自宅に浄水器を取り付けることです。
浄水器ってどんなもの?
ネパールでは、街中のお店で浄水器を売っているお店があります。これは日本によくある水道の蛇口に取り付ける簡易的なものではなく、フィルターが何層にも分かれている大掛かりな装置です。
引用:YouTube
そこまでしなきゃ、ネパールの汚染された水は綺麗にならないんです・・。
街のお店で「RO Water Filter」といえば伝わります。物にもよりますが、Rs.17,000〜30,000くらいで購入できます。
日本のヤフオクのようなインターネットサービス、「Hamro Bazar(ハムロバザール)」でも購入することができます。ただ中古の場合フィルターの交換などが必要になります。フィルターが意外と高かったりするので、安物買いの銭失いにならないように注意が必要です。
ビルによっては大家さんが屋上に大きなろ過フィルターのついたタンクを設置してくれているところもあります。そういったところに住めると少し安心かもしれませんね。
僕らも、この「RO Water Filter」を実際に取り付けてみました。その結果、不純物がかなり減少しました。
設置前の数値→700ppm程度
設置後の数値→20ppmくらい
ちなみに、25〜50ppmが飲料水としての適合範囲と言われており、日本の水道水は50〜200ppmの間です。700ppmというのがどれほど汚染されている水なのか一目瞭然ですね。
飲み水は毎日の健康に直結してきます。これだけの汚れをしっかり取り除いてくれるる浄水器、少々お高いですが、ここはケチらずにいいかなと個人的に思います。
まとめ
いかがでしたか?今回はネパールの水事情について書いてみました。ネパールに来られる際、滞在される際はくれぐれも水に当たらないようにご注意ください!飲み水はミネラルウォーターを活用しましょう。またしばらく部屋を借りて滞在しようかなと考えておられる方は、浄水器の設置を考えてみられることをおすすめいたします。ぜひ参考になさってみてくださいね。
以上、じゅんじゅんの「ネパールの水事情」でした〜。