中国語圏への移住を考えている方の中には、「中国と台湾、どちらが住みやすいのだろう」と疑問に思われる方もおられるようですね。
当ブログ「たびハック」にも質問をいただきましたので、中国在住者の私が全力でお答えしたいと思います。
住みやすいのは中国か、台湾か
中国で生活しながら、台湾にもたびたび渡航していますので、厳正中立な立場でジャッジを下したいと思います。
主に考えたいのは、これらの7つの点。
- 治安
- 人の良さ
- 日本人への感情
- 物価
- 便利さ
- 料理の美味しさ
- 空気の良さ
では早速。
治安は台湾
まず「治安」について。
中国の治安を心配される方もおられますが、住んでみるとそんなに悪くないと感じるはずです。
夜に出歩いても、危険な思いをすることはあまりありません。北京、上海、広州などの大都市はスリや置き引きこそあっても、強盗や暴行事件などの危険はほとんど感じません。
もちろん、危ない地域や、危険な時間帯などは避けるべきですが、思ってるより安全だな、と思われるはず。
さて、台湾ですが、
こちらは非常に治安が良いと言っていいでしょう。中国と比べると、確実に安全。
中国でたまに感じる「あ、なんかヤバイぞセンサー」が働くことは全くありません。タクシーに乗っても、MRTや新幹線に乗っても、街を歩いていても、感じることは「平和」そのもの。
中国ではバッグを前にして歩くこともありますが、台灣では後ろのままで大丈夫。MRTで熟睡している人がいるのも治安が良い証拠です。
治安は、台灣の勝ちです。
人の良さは…同じくらい?あえて言うなら台灣
お次に、「人の良さ」
中国人と聞くと、粗暴、自己中、野蛮などのイメージがあるかもしれませんが、優しい親切な中国人もたくさんいます。
道を聞いても、親切に教えてくれますし、困ってると助けてくれることもあります。
さらに、純粋な人が多いのも特徴。純粋な中国人を聞くと違和感があるかもしれませんが、ザ・素朴という感じの子が多いと聞くと驚かれるかもしれません。
でも、お金さえ稼げばそれでいい人や、自分が幸せならそれでいい人がいるのもまた事実。あとしょっちゅう喧嘩しているのも事実。
さて台灣ですが、
中国に輪をかけてさらに人が良いです。
急いでいるのに、道案内を一生懸命してくれる若者や、さりげない親切をしてくれる店員さん。おっちゃんたちも決して不躾な言い方をしません。
何かを聞く時、
- 台灣「あの、すみませんが〇〇はなんですか?」
- 中国「なあなあ、あれなに?」
くらいの違いがあります。
個人的には、中国人のやたら近い距離感も好きなのですが、台灣では日本人ぽい距離感を保っています。かといって無関心というわけでもなく、適度に干渉してくれます。
どちらも好きなのですが、多数派の意見では「台灣のほうが人が良い」となるでしょう。
外国人(日本人)への感情も圧倒的に台湾
対日感情、は御存知の通り、台灣ですね。
中国でも、私の生活している広州(南部)はどちらかと言うと、親日なエリアです。
小さい頃から、日本の漫画を見て育っているため、日本文化への興味も高く、日本人と知るとカタコト日本語を披露してくる現地人もいます。
でもやはり教育の影響なのか、潜在的に日本人が嫌いという人もいるので、時々嫌な思いをするかもしれません。殆どはいい人なんですが、子どもたちは「日本人全員こ◯す」と平気で言ってきます。
また、外国人=金持ちのイメージが強いのか、騙してもいいだろうと思うのか、ぼったくられたり騙されたりすることもあります。騙す人は相手が何人であろうと騙していると思うのですが、いかんせん外国人は騙されやすいので注意が必要です。
では、台灣。
アジア諸国の中でも特に親日感情の高いところです。
高齢者には日本語が喋れる人も多く、日本人と知ると対応がよくなることもあります。
また若い世代でも、日本文化の影響を受けている子が多いので、日本人ということをバラしたほうが友だちになりやすいということもあるでしょう。
日本人だと知られても、マイナスにならないのは台灣です。
物価は同じくらい
物価は、一概に言えないのですが、大体同じくらいだと思います。体感的にはやや中国が安い感じ。
公共交通機関の運賃も、台灣が100円なら中国が80円くらい、で中国が安いです。
コーラ(350ml)は、中国:70円、台灣:75円くらい。為替によっても変動するので「だいたい同じくらい」と考えておけばいいと思います。
ただし、コスパは別です。
同じお金で、どれだけの価値のものが購入できるかを考えると、圧倒的に台灣です。
例えば、200円で買った弁当、中国でも台灣でも同じようなのが変えますが、味は圧倒的に台灣が美味しいです。
外食しても、同じお金を出しても、美味しいものが食べられるのは台灣でしょう。
「とにかく安いのが中国、質を求めるなら台湾」というイメージです。
便利さは一長一短
なにをもって「便利さ」を測るのかが難しいところですが、中国、台湾ともに良さがあります。
Amazonで売っているような雑貨を買いたい場合、中国の安さは際立っています。しかもタオバオなどのネットショッピングを使えば、注文した次の日に届くくらい便利です。
製造しているところですので、安く、早く手に入ります。これはほんと便利。
一方、台湾で販売されている雑貨は中国から流れているものがほとんどなので、どうしても中国よりは割高になっています。
とはいえ、台湾には多くの日系スーパーが出店しており、日本のものが買いたいというニーズにはバッチリ答えてくれます。
先日、高雄に出張した時に、駅に併設されている高島屋で「とんかつ定食」を食べましたが、日本と全く変わらない美味しさでした。しかもそんなに高くない。あまりの感動に3日連続で食べました。
中国の日本食・輸入物は、質がそこそこのくせに、まあまあの金額を提示してくるので、ここがマイナスポイントですね。
料理の美味しさは圧倒的に台湾
実際に住むようになると、料理の美味しさはかなり重要です。
日本では食べられない、美味しい料理を食べるだけでテンションがあがるという方もおられるでしょう。
料理の美味しさは、、、、圧倒的に台湾です。
牛肉麺、タピオカジュース、フワフワかき氷、屋台などなんでも美味しいのですが、特にオススメしたいのは海鮮。
高雄で海鮮料理を食べましたが、新鮮さと上品な味付けに感動しました。
中国にはこんな美味しい海鮮はありません。
川の匂いのする魚料理か、公害を心配しながら食べる貝料理くらいしかありません。
海の近くで生まれ育ったため、海鮮料理を無性に食べたくなるのですが、台湾の海鮮料理は一度食べて見る価値があります。
もちろん、その他の料理も日本人の口によく合います。
料理の美味しさも台湾、一択です。
空気の良さ?愚問でした!台灣!
空気の良さは、書くまでもありませんね。台湾です。
広州も比較的空気の良いところなんですが、それでも台湾にはかないません。
晴れている時の広州はこんな感じ。
汚くはない、、けど決して綺麗ではない。
というわけで、空気が気になるなら台湾でしょ。
台湾にあって中国にないもの、それは安心感
比較するなんてナンセンスかと思いましたが、実際に両方行ってみて感じたことですので。
どちらにもいいところはありますが、住みやすい(なじみやすい)のは台湾でしょう。
中国はやや緊張感がありますし、食べ物もそんなに美味しくありません。。。あれ、ぼくなんで中国にいるんだろう。。泣いてなんかないよ。中国楽しいし。
もちろん台湾も外国、ということをお忘れなく。日本人との価値観の違いもあります。
それを含めても、日本人が一番移住しやすいのが台湾ではないでしょうか。
Freepikによるデザイン