ネパールって比較的安全で観光しやすいイメージですが、意外とデモも多い国なんです。
去る2017年3月6日に起きたデモでは、群衆が暴徒化、警察との銃撃戦に発展し数多くの死傷者が出ました。
このようなことは日本ではニュース報道されません。遠い異国の地で起きていることだからでしょうか。
ただし、ネパールへ旅行などで来られる際は、命に関わることなので、しっかりと現地の情報を頭に入れておく必要があります。
ということで、本記事ではネパールのデモ「バンダ」について詳しく取り上げます。
- ネパールのデモ「バンダ」ってどんな感じなの?
- デモ・ストライキの情報はどこで得られる?
- ネパール旅行時「デモ」になったらどうする?対策は?
ネパールのデモ「バンダ」について
そもそも、なぜネパールでは頻繁にデモが起きるのか?
その点について簡単に説明します。
ネパールは、多くの民族で成り立っている多民族国家です。
多民族国家であるということは、それぞれいろんな考えを持っている人たちが集合しているため、ぶつかり合いや小競り合いも多いということ・・。
実際、数年前まではネパールの奥地の方では内戦が繰り広げられ多くの人がカトマンズへ逃れてきていました。
今は民主国家となり、2015年には新憲法も制定され、ようやく一つの国家らしくなってきました。
が・・、実際のところそれぞれの勢力が自分たちの意見を通すために、強引なデモによる実力行使を行っているのが現状です。
ネパールではデモのことを、「バンダ」と呼んでいます。
「バンダ」とはネパール語で「閉める」という意味です。
つまり、この日は強制的に、お店は閉めなければならなくなりますし、暴徒たちにより道も封鎖されるので車やバイクも道路を走ることができなくなります。
バンダの大きさにもよりますが・・
酷いバンダの際に、もし無視して車やバイクを走らせようものなら、暴徒たちに石を投げられたり、ひどい時には火炎瓶を投げられ燃やされたりします。
実際、バンダの時にバスを走らせていた運転手などが、暴徒たちに殺されるといったことが起きています。
わたしもバンダの時にテンプーが窓ガラスを割られ運転手が怪我していたのを見たことがあります。
ですので、バンダの日は外に出らずに家やホテルでゆっくりするに限ります。
実はこのバンダは、突然に始まるものではありません。
きちんと、いついつバンダを行いますという申告制のようなシステムになっているのです。
では、どうやってバンダの情報を得ることができるのでしょうか?
バンダの情報を得る方法
私たち日本人がバンダの情報を得るには、2つの方法があります。
❶ 「たびレジ」に登録
❷ 在留届を出す
1.外務省のたびレジに登録する。
旅行などで短期間ネパールに滞在する際には、外務省のたびレジに登録しましょう。メールアドレスを登録しておくと、バンダなどの情報をメールにて受け取ることができます。
たびレジ登録はコチラ↓↓
たびレジー外務省海外旅行登録
2.大使館に在留届を出す。
3ヶ月以上の長期滞在の場合は、日本大使館へ出向き、「在留届」を出しておきましょう。
こちらもメールアドレスを記載して提出することにより、大使館からバンダなどの情報をメールにて受け取ることができます。
在ネパール日本大使館の場所はコチラ↓↓
大使館からのメールはどんな風に送られてくるの?
実際にどのようなメールが送られてくるか転載します。
「どのあたりでデモが行われる予定なのか?」「危険な派閥によるものなのか?」など、詳しい情報を手に入れることができます。
在ネパール大使館の注意喚起(安全情報17-4)
3月8日
マデシ系政党によるネパール全土でのバンダ(
ゼネラルストライキ)の予定について ネパール在留邦人の皆様及び旅行者の皆様へ
在ネパール日本国大使館
3月7日にお知らせした情報に引き続き、
当館が入手した情報を次のとおりお知らせ致します。 3月6日、タライ地域サプタリ郡にて、
マデシ系政党による抗議活動が過激化し、警察との衝突の結果、 4名が死亡し、40名以上が負傷する事件が発生しました。
この事件を理由に、マデシ系政党は、3月10日(金)終日、カトマンズ市内及びネパール全土でのバンダ( ゼネラルストライキ)を予定しています。
マデシ系政党は、2015年9月から2016年2月まで、反政府活動の一環としてインドとの国境を封鎖し、 車両を放火するなどの過激な行動を起こしています。また、 この3月6日の衝突事案の関係でバンダが過激化する可能性があり ます。バンダ当日は不要不急の外出は極力避け、 バンダを行うグループを見つけた際には、 極力近づかないで下さい。 ※ この情報は,お知り合いや旅行者等にもお知らせください。
※ 在留邦人で在留届を提出されていない方がおられましたら,大使館へ在留届を提出するようおすすめ願います。
【対策】バンダについて情報を得たらやっておくべきこと。
1.買いだめする。
大きなバンダになるとお店は全て閉まってしまいます。最近は長期間続くバンダは少なくなっていますが、過去には長期間続いていたことも・・。
なので、水(ミネラルウォーター)や食料などは数日分買いだめしておきましょう。
2.予定を調整する。
一番困るのは到着あるいは帰国の日とバンダが被ってしまうこと。そうなると一般のタクシーなどは通行できなくなり、バスも出なくなります。
ただし、ツーリストを保護するために外国人専用のマイクロバスやタクシーなどは走ってくれることがあります。
事前にバンダの情報を手に入れた時に、ホテルの受付などで空港行きの車の手配などをお願いしておきましょう。
また交通手段など心配しなくてよいように、空港近くのホテルに宿泊するという方法もあります。
おすすめは「Summit Residency Airport Hotel」です。
こちらのホテルは、空港出口の向かいにあるので余裕で歩いていくことができます。
3.人の大勢集まっているところに決して近づかない
もし外出先でバンダに遭遇したら、決して近づかないようにしましょう。中には外国人排他的な政治グループなどもありますので、外国人だから大丈夫だという考えは捨ててください。
興味本位で近づくことなど決してしてはいけません。
まとめ
一見平和そうに見える観光立国ネパールですが、バンダには注意が必要です。
旅行や滞在を計画される際には必ずバンダの情報をチェックするようにしましょう!
情報を得る
❶ 短期 → 「たびレジ」に登録!
❷ 長期 → 在留届を出しておく!
バンダ対策
❶ 買いだめをしておく。
❷ 予定を調整する。(帰国する場合は足の確保)
❸ ホテルから出ない。