冬になると話題になる中国の「PM2.5」ですが、この先8日間のPM2.5の飛散予測・予報をしてくれるサイトがあります。それが「aqicn.org」というサイト。リアルタイムの飛散状況も知ることが出来、日本もエリアとしてカバーしているので、今現在のPM2.5の状況を知りたい時にも便利なサイトです。
PM2.5が猛威をふるう
中国に住んでいると、当たり前になりすぎて特段ニュースにもならないくらいなのですが、日本では毎日話題になっているようですね。
私は2014年9月〜2015年5月まで北京で生活していましたが、それはそれはすさまじい大気汚染でした。町は真っ白で、ひどい時には道向かいのマンションが全く見えないくらいのスモッグ!
そんな状態の中国に出張や転勤で来る方はもちろん、日本で生活していても何らかの影響があるのではと考えるのが普通ですよね。
そんなときに「aqicn.org」は役立ちます。
このサイトは各国の大気汚染の公式情報をまとめ、世界中の大気汚染指数を公表しているサイトです。指数を色分けし可視化しているので、どの地域で大気汚染が深刻か人目でわかるようになっています。
中国で生活する人で知らない人はいないとさえ言われるサイトの使い方を見てみましょう。
この先8日間のPM2.5の飛散予測を見てみよう
まずは、この先の飛散予測です。
このページを見ていただくと、中国を中心とするアジアの大気汚染【PM2.5】の予測を見ることができます。ゆっくりと動きのある画面で今後の飛散状況をチェックすることもできます。
色分けの方法はこのようになっています。
濃い赤が最も大気汚染度が高く、重汚染となります。一般的に日本では50以上の数値になることは非常にまれです。
しかし中国(汚染のひどい地域)では150以下が普通。地図を見ていただくとオレンジ色以上のエリアが中国を覆っているのがお分かりいただけると思います。
ちなみに任意の場所をクリックすると、その場所の予想も出るようになっています。例えば私の実家がある徳島市をクリックしてみるとこんな感じ。
ほぼ緑ですね。非常に空気の良い日が続きそうです。
このサイトはアジアだけでなく世界中の公式情報データをまとめていますので、世界中の大気汚染状況を知ることができます。
こうしてみると、中国だけではなく中東やアフリカ北部でも中国と同じような大気汚染が発生しているのが分かります。インフラの遅れや環境意識の希薄な発展途上国が抱える問題だといえるでしょう。
リアルタイムのPM2.5飛散状況も分かる
このサイトでは、いま現在のリアルタイムのPM2.5の飛散状況を知ることができます。さらにPM10, SO2, NO2, O3や気温・気圧・湿度・風速の数値も表示しています。
例えば、北京のページを見てみるとこんな感じです。
現在の大気汚染度数は「357」となっています。先ほどの表に照らしあわせてみると、「すべてのものは屋外活動を禁止」しなければならない重汚染です。
もちろん市民はそんなことお構いなしで、マスクもつけずに町を歩いています。これが500を超えるとさすがにみんな今日は空気が悪いなあという話になります。ちなみに上でご紹介した写真は500オーバーの時の北京の様子です。
同じページで私が今住んでいる広州の今日の空気を見てみるとこう出ました。
大気汚染度数は「72」。北京を見た後だと非常に綺麗に見えます。ただし72という数値は中国の公式データに基づく数値です。
大気汚染度数「72」だと公表された広州の実際の空を写真にとってみました。
天気が曇りの影響もありますが、お世辞にも空気が綺麗とは言えない空模様。遠くに見える広州タワーもやや霞んでいます。私の感覚ですが、これは「72」の空ではないと思います。倍の「150」くらいかな。場所や風向きによっても汚染度は変わってくると思います。
同じ時間の東京の数値はこうです。
あれ、広州とあんまり変わらないじゃん。と思われた方。ぜひ上の写真と東京の空を比べてみてください。
まとめ
リアルタイム・飛散予想もできる「aqicn.org」を見ていると、世界中の大気汚染問題が見えてくる気がします。
中国人に大気汚染のことを聞くと多くの人が「空気が良くなってほしい」と答えます。ただ同時に「日本もイギリスも昔は公害があったでしょ。経済成長している時に汚染が問題になるのは多くの国が通ってきた道だから。」という意見も聞かれます。
かつて日本でも水俣病やイタイイタイ病などの公害があったことは事実ですし、現在でも川崎などでは軽度汚染の数値が出ることがあります。
大気汚染の結果、多くの健康被害も報告されていますが、そういう犠牲を繰り返すとすれば、かつて公害で苦しんだ人の教訓が生かされていないことになります。
大気汚染を中国だけの問題とせず、これから発展を遂げる工業地域が「多くの国が通ってきた辛い道」を歩まずに経済発展を遂げる方法があれば、頭の良い方に教えてほしいものです。