以前「広州オススメだよ!日本人が海外移住するのに丁度いい8つの理由」の記事で広州移住をおすすめしました。
広州がおすすめだというスタンスは今も変わっていませんが、1年間住んでみると、それなりにイケてない部分も見えてきます。
そこで、冷静な目で広州を判断していただくために広州をおすすめしない理由を上げてみたいと思います。広州に来られることを考えておられる方はぜひご参考にしてください。
普通語が学びにくい
中国語には普通語(北京語)と広東語の他に、客家话、潮汕话、など地方によって話されている言語が異なります。
広州は広東省の一部で、広東語が主流です。が、地方からでてきている人も多く、みんな地元の言葉でしゃべっています。
地元の中国人は、「普通語話せるけど、広東語はもっと話せる」人がほとんどなので、日常会話は基本広東語。お店に行っても話しかけられるのは広東語。
ちなみに普通語と広東語は、似て非なるもの。普通語しか話せない中国人も広東語は「听不懂(分からない)」なので、外国人に分かるはずもありません。
以前、北京で生活していた時は、普通語に囲まれていたので、道を歩いているだけで耳に入ってくる言葉を聞いて勉強できていました。むしろ、ぼくは聞いて覚える実践タイプだったので、現地の人と話すのが一番の勉強法でした。
でも、広州ではそうは行きません。中国語を学びたい人で、耳で聞いて覚えるタイプの人は広州で勉強を始めると、「耳で聞いて覚える」機会が他の都市に比べると少ないのでハンデです。
普通語の習得しやすさは、北京、上海、台北などのほうに軍配が上がるでしょう。
でも、もちろん広州では学べないというわけではありません。ぼくも広州に来てから普通語の発音を一から教えてもらい、ちょっと話したくらいでは外国人とバレないようになりました(ゴメンナサイ盛りました)。良い先生を付けられるかがポイントだと思います。
暑い、暑すぎる
広州はとにかく暑い!
ちなみに真夏の最高気温は平均33〜34度位ですが、湿度が常時80%超えなので、「日差しの強いミストサウナ」にいる感じです。
真夏に外を歩くと、すぐに汗だくだくになります。真夏には暑すぎるのか蚊も飛んでいません。
- 除湿機は必須
- 夜寝るときには、常にエアコンをつける
- 熱中症になりやすいので、こまめに水分補給
- 店の中は冷房ガンガンのところもあるので、女性はストールやカーディガンあるといいかも。
ちなみに海風が無いので、香港の暑さとまた少し違います。もっとムシっとした暑さがあります。
とにかく人が多い
広州の人口密度は世界トップレベルだと思います。
と思って調べてみると、全然でした。トップはダッカで43,500(人/k㎡)、ムンバイ32,400(人/k㎡)、マニラ15,300(人/k㎡)などが続き、広州は6,000(人/k㎡)でした。ちなみに東京は4,400(人/k㎡)です。ダッカやばい。参考:ウィキペディア
広州は東京よりも人密度が高く、地下鉄などは基本満員電車。通勤の時間帯は人数制限がかかるほどです。
ただ個人的に素晴らしいと思うのは、中国人は人の多さに慣れているためか、人を捌くのにも慣れているところ。極めて機械的ですが、コンビニでも駅でも人の列を捌くのが日本に比べて異様に早いです。
人が多いと、気になるのがスリや置き引きなどの犯罪。
友達も席の背もたれにかけておいたカバンをスッと取られたり、財布をスられる被害にあっています。これは用心していなかった方にも問題があるのですが、「荷物から目を離さない」「トートバッグは持たない」など基本的なことを守っておく必要がああります。
雑菌が繁殖しやすく、伝染病が不安
上記の点とも重なりますが、広州は、気温が高く、人が多いことから、雑菌やウイルスが繁殖しやすい条件が揃っています。
例えば、2002年に発生したSARSの第一発症は広州市です。うちのすぐ近くの病院でSARSが世界で初めて確認されました。その後の流行についてはご存じの通り。
衛生状態も良くないので、雑菌やウイルスが発生しやすくなっています。また人が多いので、飛沫感染や空気感染も気になるところ。
カビも生えやすく、食品はほとんどのものを冷蔵庫で保管しています。広州の衛生状態は発展途上国と大差ありません。
「手洗い、うがいだけでなく、足も洗う」「除菌ティッシュを持ち歩く」など自己防衛が必要です。
ちなみに我が家では、水と食塩だけで作製でき「オーガニックカビキラー」とも呼ばれる電解次亜水を愛用しています。コレはホントおすすめ!!
レビュー記事はこちら:電解次亜水の効果は?アクアシュシュ生成器で作ってみたレビュー
でかいゴキブリ・ネズミ出ます
ゴキブリやネズミは広州に限った話ではなく、南の国ならどこでもそうなんですが、一応。
南日本にお住まいの方はゴキブリには慣れていると思いますが、北日本の方はゴキブリあんまり見たことのない方もいらっしゃるでしょうか。
成人男性の親指くらいのゴキブリが広州には生息しています。うちでも1ヶ月に一回くらい出ます。
ぼくはゴキブリ無理な人なので、いつも奥さんが処理してくれています。ゴキブリホイホイやホウ酸団子は中国でも普通に売っているので、購入しておくといいでしょう。
ネズミですが、一般的に外国人が住むような団地ではあまり見かけないようですが、うちは超ローカルなところに住んでいるので、玄関の外で、ネズミとネコがリアル・トムとジェリー劇場を繰り広げています。
衛生状態が良くない地区では、低層階に住んでいる人だけでなく、4階、5階でもネズミが走り回っています。
どうしても無理!という方は北京などの北の寒い都市を選ぶといいでしょう。北京ではゴキブリ1匹も見ませんでした。
自由にネットが使えない
ネットが使えないのは中国全土の問題ですが、もちろん広州でも自由にネットは使えません。
Google関係(Gmail含む)、YOUTUBE、LINE、Twitter、Facebook、Instagramなど主要なSNSツールは全て遮断されています。
そのまま見ようとすると「接続できません」という画面が出ます。
ブロガーやフリーランスとして生活したい人にとっては、はっきり言って最悪の環境です。
ぼくは逆に中国在住ブロガー界がブルーオーシャンだとポジティブに捉えているのでいいのですが、特に理由がなければ、わざわざネット環境が悪い国に行くべきではないと思います。
もちろん、中国から上記のサイトを見えるサービスも数多くあり、私はVPNを使って普通にGmailやYOUTUBEを見ていますので、一手間かければ、なんてことありません。ただし、他の国なら必要ない費用(月1,000円)なのでここをどう捉えるか、ですが。
観光地が基本がっかり
中国三大都市の中でも、最も観光要素が少ないのが広州。
きれいなビーチなし。古い建造物あるけど洗濯物干してる。山、湖、川全部遠い。広州で体験できること→大体ドコの都市でも体験できる。という有様。
強いて言えば、飲茶は広州で食べるのが一番美味しいけど、実際住んでみるとそんなにしょっちゅう飲茶食べに行かないし。
「リゾート」と名のつくようなスポットはありません。
南のリゾートでゆっくりしたいなあ、って人には向いてないと思います。
まとめ
という訳で、在住者が語る広州をおすすめしない7つの理由でした。
日頃の愚痴をありったけ書いて、これでもかと広州をディスりましたが、個人的には広州を離れるつもりはありません。
中国の中ではかなり過ごしやすい都市だと思います。広東語も簡単な挨拶ならできるようになってきたし。ビジネスチャンスは無限に広がる街なので、ビジネスを始めたい人にもオススメです。
こんな素敵な広州へおいでませー。