アフリカ大陸の南東、インド洋に浮かぶ島マダガスカル。バオバブの木や野生動物の楽園として近年日本人旅行者にとっても人気の観光地となっています。
そのマダガスカルで、ペスト(黒死病)が流行の兆しを見せています。
- ペストってどんな病気?
- 予防注射はあるの?
- 感染した場合は?
気になる点まとめてみました。
まずは、マダガスカルのペスト流行に関する大使館情報の転載から。
マダガスカルにおけるペストの流行
2017年10月20日【ポイント】
●マダガスカルでペストが流行しています。首都アンタナナリボでも肺ペストによる死亡例が増加しており、外出時にはマスクを着用するなど注意が必要です。1.マダガスカルにおけるペストの流行
(1)世界保健機関(WHO)は、2017年8月1日から10月15日までのマダガスカル国内のペスト感染例を次のとおり発表しています。感染例:849例(確定例、可能性が高い例、疑い例を含む。うち死亡例67例。)
※感染例のうち568例が肺ペスト、155例が腺ペスト、1例が敗血症型ペスト、125例は未分類(ペストの概要・予防方法については,以下2.(1)参照。)。現在のマダガスカルにおけるペストの流行は、致死率が特に高い肺ペストが増加しています。全体の症例の約57パーセントが首都アンタナナリボ地区から報告されており、これまで感染が確認されていなかった地域にも拡大しています。
(2)つきましては、同国への渡航・滞在を予定している方、及び既に滞在中の方は、在マダガスカル日本国大使館のホームページなどから最新情報を入手して感染予防に努めてください。
またNHKの最新のニュースでは、死者はすでに94人に達し、感染の疑いのある人が1153人に上っているとのことです。(WHO発表)
どんどん感染が拡大していっているので、今後さらに死者や感染者が増えそうです。
マダガスカルでは毎年ペストが発生していますが、今年は例年に比べて発生のタイミングが早いのと、人の多い都市部で流行しているということで大規模な感染に十分注意が必要です。
ペストってどんな病気?
現在マダガスカルで流行しているのは、致死率の高い肺ペストと呼ばれる病です。
肺ペストは、通常2~3日の潜伏期間を経て、激しい頭痛・高熱・呼吸困難・血痰(けったん)・嘔吐・下痢などが生じます。治療を施さずにそのまま放っておくと、12~24時間で死に至るとても怖い病気です。
どうやって感染するの?
ペストは、ペスト菌を保有するねずみなどから、ノミを通して人間に感染します。
またいったん感染してしまい肺ペストを発症すると、今度は飛沫を通して人から人へとうつります。
ワクチンはあるの?
現在、肺ペストの予防に有効なワクチンはありません。なので予防注射などを打っていくということは出来ません。
予防はどうすればいい?
ノミを媒介して感染するので、ネズミが生息している地域へ立ち入らないことが大切です。またペットと一緒の布団やベッドで寝たりすると感染の危険が増します。動物との触れ合いにも注意が必要です。
肺ペストにかかった人の唾液などを通して飛沫感染するため、接触しないようにする必要があります。飛沫感染を防ぐためにマスクは有効です。
また手洗いうがいの励行と、人混みを避けることも大切です。
もし感染したら?
頭痛や発熱などの症状が出たら、すぐに医療機関を受診しましょう。また肺ペストが疑われる人との接触があった場合もすぐに病院を受診しましょう。
ペストには抗菌薬がよく効きます。早めに抗生物質を投与することで後遺症も残らず回復することができます。
肺ペストの場合は、12〜24時間で死に至る、つまり感染してからの進行がものすごく早いため、早期に抗菌薬を投与することが大切です。
頭痛や発熱、嘔吐・下痢などの症状があらわれたら、すぐに信頼できる医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
マダガスカル旅行を計画されている方は、現地の情報をしっかり収集し、感染地域に決して立ち入らないようにしましょう。
またもし体調が悪くなったら、すぐに医療機関を受診しましょう。
海外での高額な医療費の請求を心配しなくて良いように海外旅行保険に入っておくことをおすすめします。クレジットカード付帯の海外旅行保険も便利です。
また最新の情報が入り次第、随時更新していきます。