ネパールでは、ただいま豚インフルエンザが猛威を振るっています。今年に入り、6人がすでに亡くなっています。
豚インフルエンザの対策についてはこちらの記事「【海外旅行者必見】豚インフルエンザの予防と対策。今年に入りネパールで死者6名!」をご参照ください。
本来であれば、このような不測の事態に巻き込まれることなく旅行を終えるのが一番なのですが、旅行中は何が起こるかわかりません。
豚インフルエンザのみならず、狂犬病や打撲・骨折などの外傷、高山病にかかる可能性もあります。不慮の事態に備えて、以下にまとめたネパールの病院情報をご活用ください。
ネパールに3年滞在した私がかかったことのある病院を中心にまとめていますので、地域などが限られた情報かもしれませんが、在留邦人の目線でおすすめを書いてみます。
ネパールの病院・クリニック・薬局まとめ。
① 薬局「パワン・ファーマ」
観光客の多く滞在するタメル地区から徒歩10分ほどの所にありますので、タメルを訪れる観光客にはおすすめの薬局です。
詳しい場所はソーラクッテ・チョークのすぐ近くです。
薬局ではありますが、注射などの治療を行えるドクターが常駐しています。
わたしは、狂犬病や肝炎などの予防接種をこちらで打ってもらいましたが、特に衛生面で気になるところはなく、満足しています。
家族経営でお兄さんと弟さん、お嫁さんで経営しています。アットホームな雰囲気で親切丁寧に診療してくれます。
ドクターとしての治療を行っているのは、お兄さんと弟さんです。(そっくりで見間違うほどです。)たまに所用などで二人とも出払っている時がありますが、すぐに帰って来る場合は、奥の診察室に通してくれます。
風邪を引いた時や、下痢など体調を崩した時にも、こちらで薬を処方してもらっていました。
ただ、他の薬局より薬の値段が少し高いような感じがしました。(といっても、日本円にして数十円程度ですが。)
詳しくは知りませんが、薬局の上階には幾つかベッドも用意されているので、簡単な入院もできるのかもしれません。
② 薬局「アーユルヴェーダの薬専門店」
上記のパワン・ファーマからすぐ南に下った場所にあります。
グーグルマップ上では見つけられなかったので、閉店している可能性もあります。
「white house kitchen」から南に下って、「Z street」に曲がる角までの間、右手にあります。
上のパワン・ファーマは、一般的な西洋医学の薬を処方してくれますが、それでも調子がよくならない時は、こちらのお店でハーブ由来のものや漢方由来の薬やシロップを処方してもらっていました。
わたしの所感では、気管支炎など咳用のシロップはアーユルヴェーダ系のものがよく効いたように思います。
店主の愛想はあまりよくありません。
③ 病院「マンモハン・ホスピタル」
ネパールで一酸化炭素中毒で倒れた時、真っ先に搬送された病院です。
一酸化炭素中毒で倒れた時の体験記はこちら
関連記事:ネパール・九死に一生スペシャル! 湯沸かし器にはご注意を。
わたしは、意識を失っていたので、この病院の記憶はありませんが、ほとんど設備が整っていなかったため、すぐに他の大きな病院へ救急搬送されました。
のちに、知人が当時のカルテを見に、こちらの病院を訪ねてくれたのですが、残されていなかったと言っていました。
「ネパールでの」一般的な病院といったところでしょうか。病院前を通るたび、ネパール人の患者には賑わっているように見えました。
しかし、軽微な体調不良であれば、上記のパワン・ファーマなど医師在中の薬局に行けばいいですし、大きな病気なら、もう少ししっかりとした病院がおすすめです。
各種予防接種も打てるようです。
公式ウェブサイト(英語)はこちら。
④ 病院「アンナプルナ・ホスピタル」
一酸化炭素中毒の際、マンモハン・ホスピタルから救急搬送された病院です。2泊3日の入院をしました。
当時は意識が朦朧としていて、こちらの病院もあまり記憶がないのですが、MRIやCTスキャンなどの設備も整っていました。カトマンズでは脳神経系において有名な病院のようです。
当時のCTの画像を持ち帰り、日本の病院で見てもらったのですが、「綺麗に撮っているね。」とのことでしたので、発展途上国にしてはかなり設備はよいと思われます。
わたしを担当してくれた先生は日本で医師の経験を積んだこともあり、日本語が少し話せました。
日本で「てんかん」を専門に研究していたのもあり、わたしにも「てんかん」との診断をされましたが、実際は一酸化炭素中毒でした。
この点に関しては、わたしが倒れる直前にシャワー室の窓を開けていたため、先生の中で一酸化炭素中毒の可能性が排除されていたようです。結果的に診断は違っていましたが、医師の判断が甘かったとは言えないと思います。
医師としての腕は、まずまずでしょうか。信頼できる病院だと思います。
わたしは個室に入院しましたが、個室の入り口にはネパール人が物珍しそうにいたようで、少し物騒に感じました。入院の際は、知人に付き添いを頼むのがいいかもしれませんね。
高山病などの場合、空港からの救急搬送にも対応しています。
余談ですが、この病院はネパール軍施設の近くなので、屋上からはお馬さんの訓練風景が見えます。癒されました。
公式ウェブサイト(英語)はこちら。
⑤ 病院「チェットラパッティ・ホスピタル」
タメル地区から徒歩5分ほどのチェットラパッティ・チョークにある国立の病院です。薬代などの実費はかかりますが、診察料・初診料などがかからない病院です。
形成外科の先生は優秀な方が多いと知人のネパール人が言っていました。
わたしは、自分が足の打撲をした時にかかったのと、ルームメイトが肩を痛めた時の付き添いをしたことがあります。
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確かに、形成外科の先生は有名なようで、かなり混み合っていました。「診療費無料」をかかげる病院にもかかわらず、設備は整っており、レントゲンを撮ることもできます。処方や診察も的確でした。
ただ、形成外科の先生は複数人おり、一人の先生はあまり優秀でないとのことです。お名前はわかりません。
こちらの病院は、リハビリ科もあり、体操やストレッチなども教えてくれるようです。
マンモハン病院よりも現地のネパール人で賑わっている印象です。
⑥ クリニック「シーウィック・クリニック」
日本大使館の近くにあります。タメル地区からは歩いて行けなくもないですが、タクシーで行くのが一番でしょう。
周りには日本大使館以外にも、各国の大使館がありますので、駐在員が多く訪れます。
日本語でも対応してくれますので、非常に安心感のあるクリニックです。
ただ、日本以上に高いです。海外旅行保険や日本の国民健康保険を適用する前提でかかりましょう。
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国民健康保険の適用については、こちらの記事
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わたしは、ルームメイトが原因不明の高熱が続いた時に、インフルエンザを疑い、付き添いとしてこちらを訪れました。
インフルエンザの検査だけで1万円ほどしたと記憶しています。
他国の駐在員が、子供たちを連れて病院に来ていたので、小児科もあるのかもしれません。
公式ウェブサイト(英語)はこちら。
⑦ 病院「グランドインターナショナル・ホスピタル」
ここからは、わたしはかかったことがないもののネパールでは超有名な病院をふたつご紹介します。
グランドインターナショナル・ホスピタルは、外国人向けで価格設定は上のシーウィックと同様高めですが、安心感のある病院です。
ヘリポートもあるため、高山病などの場合、空港を経由せず直接病院への搬送が可能です。
施設内も設備が整っており、敷地面積もかなり広いです。入院も可能です。
公式ウェブサイト(英語)はこちら。
⑧ 病院「ティーチング・ホスピタル」
こちらは、国立の大病院です。ネパール人には一番有名な権威のある総合病院です。
国立なので、現地の人たちも払いやすい値段設定です。それでいて、病院としての質も高く、海外で医学を学んだ優秀なお医者さんがたくさんおられます。
日本で学んだお医者さんも多くいらっしゃいます。
公式ウェブサイト(英語)はこちら。
自分の症状にあったものを見極めよう。
- 風邪などは…近くの薬局。
- 予防接種は…ドクター在中の薬局。もしくは、近くの病院。
- 脳神経外科は…アンナプルナ病院。
- 形成外科は…チェットラパッティ病院。
- ネパールの病院では不安だという人は…シーウィック・クリニック。
上にはわたしの主観も多く入っていますが、自分の症状をよく見極めて、病院や薬局にかかることが大切だと思います。
近くの薬局で十分の場合もありますし、早めに信頼できる病院にかかった方がよいこともあります。
少し前に、海外一周中の日本人夫婦が治療代を浮かせようと、病院にかかるのを遅らせたために亡くなったというケースもありました。
長引く体調不良などで不安を感じているのなら、安心料として信頼できる外国人向けの病院にかかるのもひとつの手です。
自分の命を守れるのは、自分しかいませんから、海外では十分に健康に注意しましょう。