2021年、ヨーロッパ(EU)のサマータイムが廃止されます。
欧州連合(EU)の欧州議会は、「サマータイム」を2021年に廃止する法案を可決しました。
サマータイムが廃止されたあとは、それぞれの国で夏時間か冬時間か好きな方を選ぶようになります。
多くの方は「あーサマータイム終わるのね」というくらいの感想だと思いますが・・
これ、旅行者にとっては大問題なんです!
ヨーロッパのタイムゾーンがぐちゃぐちゃになって、飛行機や鉄道の乗り遅れなど、大きな混乱をもたらす可能性があります。
サマータイムが廃止され、新しい制度が始まる前にしっかり予習しておきましょう。
ヨーロッパのサマータイム廃止でどうなる?
2020年現在、27の国が加盟する「欧州連合(EU)」
現在のヨーロッパの時差はどうなっているのか見ていきましょう。
現在のEU(ヨーロッパ)の時差
※ 夏時間適用時
※ 地図上の白い部分はEU非加盟国。
・青 → UTC+0(日本時間マイナス8時間)
・紫 → UTC+1(日本時間マイナス7時間)
・黄 → UTC+2(日本時間マイナス6時間)
【EU加盟国の時間(2020年)】
国名 | 日本との時差 | 日本との時差 |
アイルランド | UTC+0 | 8時間 |
イタリア | UTC+1 | 7時間 |
エストニア | UTC+2 | 6時間 |
オーストリア | UTC+1 | 7時間 |
オランダ | UTC+1 | 7時間 |
キプロス | UTC+2 | 6時間 |
ギリシャ | UTC+2 | 6時間 |
クロアチア | UTC+1 | 7時間 |
スウェーデン | UTC+1 | 7時間 |
スペイン | UTC+1 | 7時間 |
スロバキア | UTC+1 | 7時間 |
スロベニア | UTC+1 | 7時間 |
チェコ | UTC+1 | 7時間 |
デンマーク | UTC+1 | 7時間 |
ドイツ | UTC+1 | 7時間 |
ハンガリー | UTC+1 | 7時間 |
フィンランド | UTC+2 | 6時間 |
フランス | UTC+1 | 7時間 |
ブルガリア | UTC+2 | 6時間 |
ベルギー | UTC+1 | 7時間 |
ポーランド | UTC+1 | 7時間 |
ポルトガル | UTC+0 | 8時間 |
マルタ | UTC+1 | 7時間 |
ラトビア | UTC+2 | 6時間 |
リトアニア | UTC+2 | 6時間 |
ルーマニア | UTC+2 | 6時間 |
ルクセンブルク | UTC+1 | 7時間 |
現在のヨーロッパの夏時刻を、わかりやすく色付けで分けてみました。
地図上で見てわかるように、現在のヨーロッパは、東西(経度)に沿ってある程度タイムゾーンが綺麗に分かれています。
これがサマータイムの廃止でどうなるかというと・・
EUのサマータイム
現在、全てのEU加盟国は、毎年3月の最終日曜日に時計を1時間進め、10月の最終日曜日に1時間戻している。
サマータイム廃止でタイムゾーンがバラバラに?
欧州議会は、各国が夏時間か冬時間を選択するよう通達を出しています。
となると、現在同じタイムゾーンのエリアでも 夏時間を選ぶ国・冬時間を選ぶ国 が出てくる可能性があるということ。
これは旅行者にとってはけっこうややこしい事態。
例えば・・
※ 筆者が適当に作った地図です。
・青の国(冬時間を選択)
・紫の国(夏時間を選択)
各国が夏時間・冬時間を自由に選んだ結果こうなったとしましょう。(例えばの話です)
「スペイン → フランス → ドイツ → オーストリア」と周遊するヨーロッパ旅行を計画した場合。
スペイン(AM8:00)→フランス(AM7:00時)→ドイツ(AM8:00)→オーストリア(AM7:00)
西から東への旅なのに、時間が進んだり戻ったり・・。
これはかなり、ややこしい事態です!
ただでさえ、海外旅行での時差って頭使うのに、こんなにごちゃごちゃだと間違いなくこんがらがります!
もしこうなってしまったら、飛行機や列車の時刻を間違って予約したり、時間を間違えて乗り遅れたりする人が続出すると思います。
対策として
① 旅行の計画段階で現地の時刻をよく確認する!
フライトの予約や、列車の予約は基本「現地時間」です。
例えば、こちら。
航空券検索サイト「スカイスキャナー」の画面です。
フランス・シャルルドゴール空港(CDG)出発、ギリシャ ・アテネ空港(ATH)到着の飛行機。
直行便で3時間15分かかるので、本来であれば(9:20 + 3時間15分)12:35 にアテネ空港に到着するはず。
ですが、13:35到着となっています。
そう、ギリシャはフランスより時差が1時間進んでるんですね。
このように、飛行機や列車の予約サイトは各国の【現地時間で表示】されます。
「フランスからギリシャまで、3時間15分。そしたらアテネ空港発の13:00のバスにも間に合うね!」なんて考えたら危険です!
ヨーロッパのサマータイムが廃止され、タイムゾーンがぐちゃぐちゃになった場合は、特に「現地時間」に注意して予約するようにしましょう。
② 旅行のときは、Apple Watch を使う!
ヨーロッパは、目立つ国境もなく、鉄道や車で自由に行き来できるので、国を超えた感覚があまりありません。
実際私も、鉄道やバスを使ってヨーロッパ周遊を楽しんだ経験がありますが、EU加盟国は本当に簡単に国をまたいで移動できます。
日本で高速バスを使って違う県に行く感覚。
車内でも「国境を超えた」的なアナウンスも一切ありません。
なので、時計を合わせるのを忘れてしまいがち。
そんなときは、AppleWatchが便利です!
国境を越えると自動で現地時間に調整されるので、いちいち時差を考えたり、時刻合わせをする必要がありません。(iPhoneの時刻自動設定をONにしておく必要があります)
普通の電波時計だと、手動で都市やタイムゾーンを選択する必要があるので、AppleWatchはかなり便利だなと感じます。
いずれにしよ、一番の対策は「時差」をしっかり意識することです。これに尽きます。
いくら時計の表示が正確なものでも、頭の中の時刻がずれてたら意味がありませんからね。
まとめ
賛否両論あるヨーロッパのサマータイム廃止問題。
いちおう欧州議会は、「近隣の国で時差が入り乱れることがないよう調整を求める」としていますが、混乱は必至。
また長引くコロナの影響もあり、2021年スタートの先延ばしも検討されています。
ただでさえ旅行者にとって、ややこしい時差問題。これ以上混乱することのないよう願うばかりです。
これからどうなるか注視していきましょう。