シリーズ「北朝鮮3泊4日ツアー」旅行記の最終編をお届けします。北朝鮮入国後、平壌の観光スポットや食事を楽しみましたが、今回は韓国との国境まで足を伸ばします。
また、北朝鮮自慢の鉄道や韓国客向けの出し物など盛りだくさんの北朝鮮旅行帰国編です!
北朝鮮と韓国の国境の様子
韓国との軍事境界線・板門店に行ってみます。
軍事エリアで撮影禁止の地区も多く、軍人が大勢見られます。
軍人から軍事境界線の説明を受け、非武装地帯へ足を踏み入れます。
まず目に入るのがこちらの建物。停戦交渉会議所です。この中で朝鮮戦争の停戦に向けて多くの会議が行われたそうです。
停戦協定の署名についてガイドから説明を受けます。
ややボケていますが、北朝鮮の国旗の前に置かれているのが、朝鮮戦争の停戦合意書です。
いよいよ軍事境界線へ
一通り朝鮮側の説明を受けた後に、韓国との軍事境界線に連れて行かれます。
写真の奥側が韓国、こちら側が北朝鮮です。
手前にある5つの建物は軍事境界線の真上に建てられており、青い建物が北朝鮮、白い建物が韓国によって管理されています。
白い地面が北朝鮮、黒い地面が韓国です。北朝鮮側は多くの兵士が国境を守っています。この建物の中では今も朝鮮半島統一に向けた話し合いが行われています。
これが実際の軍事境界線。左が韓国側、右が北朝鮮側です。
60年以上に渡る朝鮮分を象徴する場所です。
原則として南北兵士はこの境界線を超えてはならず、もし超えてしまった場合や、相手兵士と会話した場合は極刑にされることになっています。
過去この場所を舞台に数々の事件が発生しています。
ソ連大学生越境事件
1984年11月23日、北朝鮮の板門店観光ツアーに訪れていたソ連人大学生が軍事境界線を越えて南(韓国)に闖入した。この大学生を追った朝鮮人民軍兵士が軍事境界線を越えたため、国連軍が攻撃し両者は衝突、韓国軍兵士1名と人民軍兵士3名が死亡した。最終的にこの大学生はアメリカへ亡命した。
亡命事件
上記のソ連大学生越境事件をはじめとして、板門店では過去数回に渡り北朝鮮や旧東側諸国の国民の韓国側への亡命が行われている。1998年2月には板門店の警備に当たっていた北朝鮮軍の大尉が韓国側に亡命している。
引用:ウィキペディア
北朝鮮の地下鉄へ
では、北朝鮮の誇る地下鉄を見てみましょう。
こちらが地下鉄の駅です。駅の名前は復興駅。地名でもなんでもありません。 他にも栄光駅、凱旋駅、建国駅と命名された駅があり、国家としての願いや思いが込められているようです。外国人が乗車できるのは万景台線復興駅(普通江ホテル前)から次の栄光駅(高麗ホテル/平壌駅)までの1区間2キロのみ。
改札をくぐり、エスカレーターで地下プラットホームへ行きます。
このエスカレーターが尋常じゃなく長い!地下100メートルのところまで一気に下がるため数分間エスカレーターに乗っています。敵国からの攻撃を受けた時にシェルターとして使うためこのように深く掘ったようです。
駅の壁にはモザイク画が貼られています。
地下鉄の車内の様子。西ベルリンで使われていたもののようで、相当に古めかしいデザインです。
駅の中はソ連によるデザインのため、どことなく東側・社会主義陣営の香りがします。
柱一本一本が非常に綺麗です。
ここだけ見ると、北朝鮮という感じがしません。ソヴィエトかな?
この地下鉄はかなりご自慢のようで、北朝鮮ツアーには必ず組み込まれているようです。
凱旋門
地下鉄を上がると、凱旋門が姿を表します。世界でもっとも大きい凱旋門のようで、パリの凱旋門が50メートルに対し、こちらの凱旋門は10メートル高い60メートルあります。
北朝鮮の出し物を見せてくれます
さて、今回の北朝鮮旅も大詰め。
ここで、北朝鮮の生徒たちによる出し物を楽しみましょう。
女子生徒たちによる演奏。
可愛らしい子どもたちによる合唱。
北朝鮮版Perfume。
民族舞踊的な何か。
大道芸的な何か。
この二人は透き通るような歌声でした。
さらば北朝鮮!
あっという間に3泊4日の北朝鮮旅行が終わりに近づいてきました。慣れ親しんだ肖像ともお別れです。
なかなか来ることのない北朝鮮でした。来た時と同じ列車に揺られ平壌駅から中国の丹东市を目指します。
中国に着いた時はすでに陽もどっぷりと暮れていました。振り返ると漆黒の北朝鮮が見えます。
北朝鮮旅行で注意すること
- 一眼レフカメラ(150mm望遠レンズ以上)は持って行かない
- 写真撮影は可能ですが、全てガイドの目視検査があります。削除要請には従いましょう。
- 両替の必要はありません。中国元・USドル・日本円・ユーロは使用可能です。
- 韓国人、朝鮮系中国人は入国困難です。日本人、アメリカ人も厳しい検査があります。その次が欧米系、中国人は最も楽に入国できます。
- 単独行動は慎みましょう。ホテル周辺の散歩もガイドに聞いてからにしましょう。
- 「北朝鮮」よりも「朝鮮」、「共和国」と言う方が摩擦を生じさせずにすみます。
- 政治的な話題や、北朝鮮を批判する言動は慎みましょう。
- 現地の人に声をかけてはいけません。
日本から近くて遠い国、北朝鮮でした。非常に特殊な国で、観光と言っても向こうが見せたいものをひたすら見せられる自己満ツアーでしたが、それはそれで思い出。
でも中国に帰ってきた時に、「やっと中国に帰れた−!と思ったのは自分だけではないはず」と旅行をした友達は笑っていました。
1回訪れてみたい北朝鮮のシリーズ記事でした。
※このシリーズ記事はインタビュー記事です。
関連記事:北朝鮮旅行で撮った写真!食事は美味しいのか?街の様子や実態を旅行者にインタビューしてみた−その1
関連記事:北朝鮮旅行の食事と生活の実態は?北朝鮮で絶対に食べるべき料理はこれっ!て言いたいけど実は強制的に食べさせられる模様−その2